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虫刺症(蚊刺症)

虫刺症(ちゅうし しょう)」とは、(か)やブユ(蚋)、アブ(虻)などの昆虫に刺されて生じる皮膚炎の総称であり、いわゆる「虫さされ」のことです。
都心で最も多くみられる虫刺症は、(か)によるものであり「蚊刺症(ぶんし しょう)」とも呼ばれます。

は、春から秋にかけて発生し、卵巣発育のためにメスだけが吸血するようになります。
アカイエカなどのイエカ属は、主に夜間に吸血しますが、ヒトスジシマカなどのヤブカ属は、日中でも吸血を行います。

蚊刺症は、主に下腿といった露出部に多くみられます。
ブユなどと比べて刺し口が小さいため、出血することは無く、刺入部も分かりにくいことが多いです。

に刺されると、その直後から痒みを伴う蕁麻疹のような赤みが出現します。
症状が軽ければ、約20分後をピークとして、2時間程度で軽快してしまうこともあります。

しかし、刺された数時間後くらいから痒みを伴う湿疹のような反応を生じ、翌日あるいは翌々日をピークに、水疱(水ぶくれ)などの症状が出現する場合があるので注意が必要です。

最も重症な症状には、蚊刺に対して異常反応を起こす「蚊アレルギー蚊刺過敏症)」と呼ばれるものがあります。
刺された部位が、真っ赤に腫れた後に深い傷(潰瘍)または傷あと(瘢痕)となって残るだけでなく、発熱肝機能障害といった全身症状を生じます。

そもそも虫刺症とは、虫に刺された部位から注入される唾液腺物質などに対するアレルギー反応です。
そのため、同じ地域で同じに刺されても、真っ赤に腫れ上がったり、あまり赤くならなかったり、症状には個人差が大きいのです。

一般的な皮疹の治療には、ステロイドの塗り薬を使用します。
また、痒みが強い場合には、痒み止め(抗ヒスタミン薬)の飲み薬も併用して治療を行います。

ちなみに、市販の虫さされ薬に含まれているステロイドは、マイルドミディアムまでのランク(5段階の分類で2番目に弱い)であることが多いため、強いアレルギー反応を生じてしまう蚊刺症の場合には、治療効果が不十分である可能性があります。

症状が悪化すると、治療に時間がかかったり、色素沈着などが残りやすくなります。
市販薬を使用しても、すぐに症状が改善しないような場合は、早めに皮膚科専門医のいる医療機関を受診することをおすすめします。
| 肌のあれこれ | 12:37 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
爪甲横溝(波板状爪)

爪は、皮膚と同じ角質(硬質ケラチン)で構成されています。
爪の根元(爪母)で作られた爪甲は、指先へ押し出されるように伸びています。

爪甲横溝」とは、爪の表面に横方向の溝が形成された状態のことです。
これは、爪の根元(爪母)に何らかのダメージが加わり、爪の形成に障害を及ぼしているために生じます。

横溝の深さは爪母へのダメージの強さを、横溝の幅は爪母でダメージを受けていた期間を意味しています。


特定の指のみの爪母に慢性的な炎症などがあると、ガタガタと洗濯板のように爪甲横溝が連続することがあり、これは「波板状爪」と呼ばれています。

波板状爪治療するためには、爪を形成する爪母の炎症を改善する必要があります。
例えば、手の湿疹が爪の周囲まで及んだことが原因であれば、こまめに爪の根元にステロイド外用薬を塗る必要がああります。


また、足の爪(第1趾)では、靴などによる圧迫爪甲横溝の原因になります。
これは、爪が先端に向かって伸びようとする力と、靴による圧迫で爪が押し戻される力が、それぞれ反対方向から加わるため、爪甲がガタガタ(波板状爪)になると考えられています。
| 肌のあれこれ | 10:17 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
爪甲横溝(Beau 線条)

爪は、皮膚と同じ角質(硬質ケラチン)で構成されています。
爪の根元(爪母)で作られた爪甲は、指先へ押し出されるように伸びています。

爪甲横溝」とは、爪の表面に横方向の溝が形成された状態のことです。
これは、爪の根元(爪母)に何らかのダメージが加わり、爪の形成に障害を及ぼしているために生じます。

手足全ての爪に、1筋のみの横溝が形成されている場合は「Beau 線条(ボー線条)」と呼ばれています。

これは、ある時期に全身に強いダメージ(ストレス)があったことを示しています。
症状によっては、爪に段差亀裂を生じたり、爪が剥離(剥がれ落ちて)してしまう場合もあります。

原因としては、高熱を発するような感染症薬疹出産などが考えられます。
爪は爪母で形成されるため、爪の伸び具合から、原因(全身性のダメージ)を生じた時期はある程度推定することができるでしょう。
| 肌のあれこれ | 11:40 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
毛孔性苔癬(毛孔性角化症)

毛孔性苔癬(もうこうせい たいせん)」とは、毛孔部過角化が目立っている状態のことです。

特に、上腕二の腕)の外側がザラザラとした状態になっていることで気付くことが多いようです。

毛孔性角化症(もうこうせい かくかしょう)」と呼ばれており、生理的な症状であるとも考えられています。

多少の赤みや色素沈着があっても、痒みのような自覚症状はほとんどありません
しかし、若い女性にとっては気になる症状の1つになってしまうようです。


毛孔性苔癬は非常に頻度が高く、多くは小児の頃から症状が出現します。

男性(男児)では、顔(左右の耳前部から頬にかけて)にも毛孔性苔癬を生じる場合があり、これは「顔面毛包性紅斑黒皮症(がんめん もうほうせい こうはん こくひしょう)」と呼ばれています。

毛孔性苔癬は、遺伝傾向があるとも言われており、特に思春期の女性で悪化することが多いのですが、思春期を過ぎると自然に治ってくることもあります。


治療には、尿素サリチル酸など角質溶解薬を含む外用薬がよく使用されています。
妊娠の心配がなければ、ビタミンA軟膏も効果的です。

症状によっては、ピーリング処置を行ったり、トレチノイン軟膏などを使用する場合もあります。
住吉皮膚科では、ピーリングの施術を行っておりませんが、ピーリング作用のある石鹸(メディソープ クリア)を取り扱っています。
| 肌のあれこれ | 17:45 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎(マラセチア もうほうえん)」とは、いわゆるニキビと似たような症状ですが、マラセチア(癜風菌)と呼ばれる皮膚の常在菌が原因で生じます。

主に、前胸部からにかけて、ニキビの様な光沢のある赤いブツブツ(紅色丘疹)が多発します。
通常のニキビ(毛包炎)のように痛みを伴うことはありませんが、痒みを伴うことが多く、光沢のある赤みが特徴です。

マラセチア毛包炎は、梅雨期から夏期にかけての高温多湿や、をかいて不潔な環境などの条件により発症すると考えられます。
マラセチアは、皮脂を好む真菌(カビ)であり、多くの人の皮膚に存在している常在菌なのですが、毛穴(毛包内)で増殖し過ぎると、炎症を生じてマラセチア毛包炎の状態に至ってしまいます。

以前は、アトピー性皮膚炎脂漏性皮膚炎のある青年〜中年男性に多く見られましたが、最近では、小児若い女性にもみられるようになってきました。

通常は、特徴的な外観から診断が可能ですが、顕微鏡検査によって原因菌であるマラセチアの増殖を確認する場合もあります。
抗生剤による一般的なニキビ治療で効果が無かった場合や、強めのステロイド薬を長期に使用していた場合には、マラセチア毛包炎の発症を考慮しておく必要があります。

マラセチア毛包炎は、細菌感染症ではなく真菌感染症であるため、抗真菌薬塗り薬で治療します。
治りにくい場合には、抗真菌薬飲み薬(イトリゾールなど)を服用する場合もあります。
また、再発を抑制するためにも、肌を清潔に保つなどのスキンケアは重要と言えるでしょう。
| 肌のあれこれ | 20:33 | comments(33) | trackbacks(0) | pookmark |
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