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ステロイド外用薬の作用・副作用(その4)


ステロイド外用薬の作用・副作用(その3)に引き続き、ステロイド外用剤の局所的な作用(副作用)について説明いたします。

ステロイド外用薬は、毛包周囲で生じている異常な免疫反応を抑制するため、円形脱毛症の治療に使用されています。

しかし、病変部以外の皮膚に長期間ステロイドを外用していると、局所的に毛深くなる(多毛)ことがあります。
特に小児では、多毛を生じやすいと言われています。
ステロイド外用薬が原因となった多毛は、その外用を中止すれば徐々に改善します。

また、ステロイド剤を塗ると皮膚が黒くなると勘違いしている患者さんを時々見かけますが、皮膚にステロイド剤を外用すると、皮膚のメラニン産生を抑制するため、むしろ皮膚は白くなりやすいと考えられます。
このような誤解は、アトピー性皮膚炎のような慢性湿疹において、皮膚炎の軽快に伴って炎症後色素沈着を生じるということが理解されていないためでしょう。

しかし、1999年にタクロリムス軟膏が登場してからは、ステロイド外用薬だけでは十分な治療が困難であったアトピー性皮膚炎炎症後色素沈着さざなみ様色素沈着口唇メラノーシスなど)も徐々に少なくなってきたように思われます。
これは、ステロイド外用薬の利点即効性であるのに対し、タクロリムス軟膏の利点持続性であるためです。
つまり、繰り返しやすいアトピー性皮膚炎などでは、ステロイド外用薬によって早期に十分な治療を開始することが必要であり、タクロリムス軟膏保湿剤によるスキンケアを継続することで皮膚炎の悪化(再燃)を防ぎ炎症後色素沈着を改善(予防)できるという訳です。

ステロイド外用薬の作用・副作用(その5)へ続く

上の写真は、ドバイで撮影したアトランティス・ザ・パームの夜景です。
(撮影:住吉孝二)
| 院長ブログ | 16:26 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
顔のアトピーがなかなか改善されず、日々悩んでおります。
最近はまぶたの上がかゆく、赤くなるので
目が腫れてしまい辛いです。。


「悪化した皮膚炎の治療には即効性のあるステロイド剤を用い、皮膚炎が軽快してから副作用の少ないプロトピック軟膏を使用する」
顔や首の皮膚炎に対しては「やや強めのステロイド剤を使用して十分に皮膚炎を治療し、軽快した皮膚症状が再び悪化しないようにプロトピック軟膏を使用していく」

先生、このプロトピックとステロイドの使い分けは、実際どのように判断したらよいのでしょうか。

かゆい時はステロイド、かゆくないけど皮膚が赤い時はプロトピック、といったイメージでしょうか?

過去の記事へのコメントにて恐縮ですが
ご確認よろしくお願いいたします。
| さや | 2009/03/17 10:24 AM |
「さや」さんの質問に回答いたします。

「ステロイド外用薬」も「プロトピック軟膏」も皮膚炎を抑制しますので、基本的にどちらを使用しても構いませんが、それぞれの特徴について補足いたします。

「プロトピック軟膏」は分子量が大きいため、体や手足に外用しても皮膚に吸収されにくいという欠点がありますが、顔や首の外用には適しています。

しかし、かゆみ・赤みといった皮膚の炎症が強い病変には、皮膚への刺激感(灼熱感やヒリヒリ感など)が少なく、即効性がある「ステロイド外用薬」を使用する方が良いと思われます。

そして、かゆみ・赤みといった皮膚の炎症が徐々に治まってきた病変には、長期使用による副作用がステロイド外用薬よりも少なく、作用に持続性のある「プロトピック軟膏」を使用する方が良いと考えられます。

アトピー性皮膚炎では必ず皮膚炎の悪化を繰り返しますので、皮膚炎を抑制することはもちろん、プロトピック軟膏や保湿剤などの使用を継続し、皮膚炎の再燃を防ぐことが最も重要になる訳です。
| 副院長 | 2009/03/19 9:41 PM |
生後7ヶ月の息子のことなのですが
2ヶ月ぐらいから湿疹ができ、小児科でステロイド剤入りのクリームをもらって付けていたのですが、
なかなか良くならず、その小児科の紹介で4ヶ月ごろから皮膚科に行きました。
初めはアルメタ軟膏を15g(3本)もらい頭から足まで全身につけて良くなったのですが、その軟膏が終わった後テクスメテンユニバーサルクリーム0.1%をまた15g(3本)もらいました。

特に何も言われなかったので全身に付けていて、よくなったら馬油や桃の葉ローションなどをつける日もありました。

2ヶ月以上そんなことをしていて先日クリームが終わったので受診したら「こんな強いもの顔に付けてはいけない!」「何で受診に来なかったんだ」と怒られ大切な息子に知らなかったとはいえなんてひどいことをしてしまったんだろうと本当に後悔しています。

そのとき顔にはキンダベートとベナパスタ軟膏、給水軟膏、酸化亜鉛原末マルイシを混ぜたものを、手足には引き続きテクスメテンを15gもらいました。

今とても心配しているのが顔や頭に2ヶ月以上もテクスメテンを塗り続けていたので副作用がでているのではないか。またはこれから出るのではないか。

見た目では分からないが体の成長を抑える副腎皮質機能など重大な副作用がでるのではないか。

赤ちゃんにそもそもテクスメテンを塗っていいのか。

です。

長くなりましたがあまりにも心配で夜も眠れません。他の皮膚科や小児科にいくことも考えていますがもう一度同じ皮膚科に一週間後に行こうと思っています。
よろしくお願いします。
| たか | 2012/09/27 4:45 PM |
「たか」さんの質問に回答いたします。

顔に外用していたステロイド薬が強すぎたことによる副作用を心配されているのであれば、そのステロイド薬を中止している現在の顔を見れば分かることだと思います。
例えば、皮膚が薄くなっていたり、毛細血管が拡張して赤くなっていたり、ニキビが増えていたり、毛深くなっていたり、このような症状がみられたら、ステロイド薬が過剰に使用されていた可能性が考えられます。

ステロイド外用薬を使用する場合、皮膚病変の重症度によって強さ(ランク)を調節するのが一般的です。
また、小児や高齢者は皮膚が薄く、特に乳幼児では吸収率が非常に高いため、強力なステロイド外用薬を使用する場合は十分な注意が必要です。

テクスメテンという外用薬は、ベリーストロング(Very Strong)に属するステロイド外用薬です。
一般的には、成人でもVery Strongクラスのステロイド外用薬を顔に使用することはありません。

もちろん、皮膚炎の重症度にもよりますし、診察した担当医によって判断される訳ですが、私は小児の顔には弱いランクであってもステロイドを処方することはほとんどありません。

また、2歳になればタクロリムス(プロトピック)軟膏が使用できますので、顔にステロイドの副作用を心配することも少なくなってくるはずです。

以下のブログも参考にしてください。

「ステロイド外用薬の分類(ランク)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1139944
「ステロイド外用薬の作用・副作用(その1)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=978905
「ステロイド外用薬の作用・副作用(その2)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=983770
「プロトピック軟膏の使い方」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=455198
「プロトピック軟膏の適切な使用量」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1197095
| 院長 | 2012/10/02 8:11 PM |
ブログを拝見し、ステロイドについて大変参考になります。
三か月健診で子供がアトピーと診断され、
ロコイドクリーム5グラム3本とヒルドイドクリーム、ヒルドイドローションをもらいました。
頬が一番ひどかったので頬、顎にもロコイドクリーム、ヒルドイドローション、ヒルドイドクリームを塗布しました。
身体は直ぐ良くなり、顔は一日、二日するとまたプツプツと出てくるので塗るの繰り返しでちょうど一ヶ月経ちました。
色が白くなったせいか皮膚から血管が見えるところがあります。処方して下さった医師に定期的に診てもらい、副作用ではないといわれ、他の医院でも副作用ではなく気のせいだといわれました。
皮膚が薄くなる副作用と赤ちゃんの元々の皮膚の薄さは区別できるのでしょうか?
また、最近左頬のプツプツができている部分が乾燥しているようにシワシワがよっています。これも副作用では無いのでしょうか?
先生は乳児の顔には弱いステロイドも処方されないとのこと、やはり塗布しない方が良かったのでしょうか?
これらの症状が副作用だとすればステロイド塗布を止めれば徐々に改善されるものでしょうか?
質問ばかりで恐縮ですが、周りではステロイドは使うべきでない等言われ、一日中気にしながらよだれのお手入れして清潔保湿を心掛けてもプツプツ出てしまい、親として心配と責任を感じていたたまれなくなります。
宜しくお願いします。
| メル | 2013/03/25 8:46 AM |
「メル」さんの質問に回答いたします。

皮膚が白くなる、皮膚が薄くなる、毛細血管が浮き出して見えるようになる、といった症状はステロイド外用薬の作用であり、一般には副作用とも言われています。
皮膚(表皮)が薄くなると、当然その下にある拡張した毛細血管がより目立つようになります。

現在の症状がステロイド外用薬の影響であるかどうかは、ステロイドを使用する前の状態と比較するか、あるいはステロイドを外用していない部位と比較することで判断するしかないと思われます。

乳幼児の顔面に限らず、ステロイド外用薬を使用するかどうか、あるいはそのランク(強さ)を決定するのは、実際の症状を診察した皮膚科専門医が判断すべきものだと考えます。
ですから、実際の症状を診察していない私には「乳児の顔には弱いステロイド・・・やはり塗布しない方が良かったのでしょうか?」という質問に回答することはできません。

ですが、乳幼児の顔面のように、皮膚が薄いためステロイド外用薬の吸収率が高く、血管芽豊富で副作用の目立ちやすい部位には、極力ステロイドを外用すべきでないと考えます。
乳幼児の皮膚は、ターンオーバー時間が短いため表皮の再生が早く、血が流れるほど重症な湿疹や傷でなければ、ほとんど痕が残らず治る可能性が高いというのも理由の一つです。

ステロイド外用薬の作用あるいは副作用は、その使用を中止すれば徐々に排除されると思われます。
しかし、長期にわたり過剰なステロイド外用薬を局所的に使用してしまった症状は、改善しにくい可能性があります。
そのような場合は、美容外科などで治療の相談を行うことも考慮すべきでしょう。

以下のブログも参考にしてください。

「ステロイド外用薬の分類(ランク)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1139944
「表皮のターンオーバー時間」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=505643
「酒さ様皮膚炎」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=590920
| 院長 | 2013/03/27 10:47 AM |
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