2008.10.17 Friday
つけ爪による危害(かぶれ、やけど、カビが生えることも)

先日、当クリニックで受けた取材の内容などが「国民生活センター」から公表されましたので、新聞記事に掲載されたものを一部紹介いたします。
以下は、毎日新聞の記事を抜粋したものであり、上の写真は朝日新聞(平成20年10月17日)朝刊・社会面をスキャンしたものです。
国民生活センターは16日会見を開き、つけづめによる被害相談が増えていると発表した。
カビやバクテリアでつめが緑色に変色したり、やけどを負う事例もあり、「成分表示やネイルサロンの技術規定もなく、利用には危険性があることを認識してほしい」と話している。
指先のおしゃれとして人気のつけづめは、つめに人工づめをつけたりジェル状のアクリル樹脂をつめの上にのせて固める方法などがある。
同センターによると、この10年で少なくとも38件の相談が寄せられ、この5年で徐々に件数が増えている。
たとえば▽サロンで施術したが人工づめと自分のつめの間にカビが生えた▽サロンで施術したがバクテリアが繁殖し自分のつめが緑色になった▽自分でつけづめをするとき下地剤や接着剤が飛び化学やけどをした▽つけづめで指が化のうした--など。
サロンに関しては、日本ネイリスト協会などでは技能検定等を実施しているが、開業や施術を行うこと自体は規制がなく、施術者の技術は一定ではない。
またつけづめの材料や用具について、その成分や注意書きに危険性などの表示義務もない。
同センターは「好きでつけているとはいえ、利用者は危険性をあまり知らされていないのではないか」と話す。
順天堂大・皮膚科の住吉孝二准教授は「そもそもつめは皮膚の一部であり全身の健康状態を表す大切なバロメーター。
特につめの色や形がいつもと異なるときには人工づめで密閉すべきではない。
またつめとの間にすき間があるとつめが細菌に感染するおそれもある」と注意を促している。
同センターは、▽つけづめは自分のつめに負担がかかる▽接着剤などはかぶれや化学やけど、引火の危険がある--ことを認識するとともに▽衛生管理をしっかり行い、異常を感じたら受診する▽サロン選びに注意する▽時々はつめを休ませる--ことが必要だとアドバイスしている。
【浜田和子】
なお、詳しい内容については国民生活センターのホームページにて、報道発表資料および報告書を参照ください。