2008.10.07 Tuesday
エクリン汗嚢腫
中年女性の顔では、ニキビのような丘疹(ブツブツしたもの)が多発する疾患は数多くあります。
「エクリン汗嚢腫(エクリンかんのうしゅ)」とは、中高年女性の顔に比較的よく見かける疾患です。
皮内の汗管が拡張して袋状の嚢腫を形成することで生じるため、表面をダーモスコープなどで見ると、所々に透明な嚢腫を確認できることもあります。
多汗によりエクリン汗嚢腫が悪化するため、甲状腺機能亢進症や更年期前後の女性に多くみられます。
汗管腫などと見分けるのが難しい場合もありますが、エクリン汗嚢腫は汗をかきやすい夏季にのみ症状が悪化するという特徴から診断に至ることが多いです。
あまり有効な治療法が無いため、悪化時には温熱刺激を避けるなどの工夫が必要になります。
汗管腫や稗粒腫、顔面播種状粟粒性狼瘡、青年性扁平疣贅などと見分けるのが難しい時には、皮膚生検を行うこともあります。