2008.06.23 Monday
こども未来7月号【チャドクガのかぶれには まずテープで“毛抜き”】

先日受けた取材の記事が、来週7月1日発行の「こども未来」に掲載されることになりましたので、その内容を紹介いたします。
<子ども・子育て・豆知識>
【チャドクガのかぶれには まずテープで“毛抜き”】
初夏から秋にかけて、外から帰った子どもに、突然、強いかゆみとともに皮膚に小さな発疹(赤いポツポツ)がまとまって多発・・・・。このようなケースはチャドクガの毒針毛によるかぶれが疑われます。
この応急処置として住吉医院皮膚科の住吉孝二副院長は、「掻いてしまわずに、まずセロハンテープかガムテープを患部に軽く押し当てて、刺さった毛をできるだけ抜くことが第一。その後、患部を水で洗い流し、冷やしてください」とアドバイス。「掻いてしまうと毛が皮膚の内部に入り込み症状が長引き、毛が手に付いて患部が広がることもあります」とも注意を呼び掛けています。
チャドクガは1年2回、初夏と秋に幼虫が発生するため、この時期に発症のピークがあります。幼虫(毛虫)のほか、羽化した後の抜け殻なども毒針毛のもとになります。ツバキやサザンカによく付いていることが知られていますが、ほかの樹木にも取り付いています。「夏場は、毛虫が取り付いている(いた)危険性が高い、虫食い葉っぱの樹木に近づかないことです」(住吉副院長)。
毛虫に直接触れることがあれば、もちろん自覚できますが、「毛虫がいる樹木の近くを通った」「少し前に毛虫がいたところを触った」という程度でも、知らないうちに毒針毛が皮膚に刺さってしまうことがあります。ツバキなどは道路沿いにもよく植えてありますが、大人には腰の高さでも、小さな子どもにとっては毒針毛を頭から浴びる高さになるため、注意する必要があります。
刺さった毛は皮膚の生まれ替わりのサイクルにしたがって、自然に体外に押し出されます。多くの場合、毛が刺さって数時間で発症しますが、1日程度たってから発症することもあり、通常、かゆみは2〜3週間続きます。
夏場に、知らないうちにかぶれる皮膚炎として、もう一つ覚えておきたいのは、海水浴のときのプランクトン皮膚炎です。海から上がってそのままにしていると、海水中のプランクトン(微生物)によって、かゆみや発疹に見舞われます。これを防ぐには、海から上がったら、早めに真水で体をよく洗い流すことです。
住吉副院長は「チャドクガの場合も、プランクトンの場合も、小さな子はかゆければつい掻いてしまいます。かゆみや発疹があったら、早めに皮膚科の医師に相談を」と話しています。
(こども未来7月号17ページより抜粋)