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ステロイドの軟膏は薄めると弱くなるの?


アトピー性皮膚炎などの慢性湿疹の治療薬として、「ステロイドの軟膏を保湿剤と混ぜてもらって塗っている」という方は大勢いらっしゃると思います。

ところが、この「ステロイドを保湿剤と混ぜる」の意味を、「ステロイドが薄まって、効き目が弱くなっている」と勘違いしている患者さんが多いようです。

例えば、ステロイドの軟膏を等量のワセリンと混合した場合、ステロイドの量は増えずに軟膏の量が2倍になります。
ですから、同じ量の軟膏を塗ったとすれば、ワセリンと混合した軟膏には半分の量のステロイドしか含まれていないことになります。

しかし、ステロイドの塗り薬とは、体の中にある副腎皮質ホルモンに似せて人工的に作り出した薬剤であり、たとえ何倍に希釈したとしても、その成分は変わりません
2倍に薄めたとしても、そのステロイドの効き目はほとんど変わらないでしょう。
もちろん、10倍・100倍・・と希釈していけば効き目は弱くなりますが、10分の1・100分の1・・の効き目になるということではありません。

つまり、濃度が低くなったからといって、その分だけステロイドの効き目が弱くなっているとは限らないのです。

さらに、混合する塗り薬の種類によっては、ステロイドの皮膚への浸透性を高めるため、混合した方がステロイドの効き目が強くなる場合もあります。

ですから、ステロイドの効き目を弱くするためには、ステロイドの種類を変更する必要もあるのです。

上の写真は、長崎県・ハウステンボスで撮影した白鳥の写真です。
(撮影:住吉孝男)
| 院長ブログ | 22:15 | comments(7) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
ステロイドについて質問させてください。
ステロイドを腕に塗っているものですが、
床やソファーなどに自分のステロイドがついて、それが第三者に副作用を与えたりするのでしょうか?
また、ものについたステロイドは空気中に触れなくても(例えば机とその上の物の間などにこびりついたり)、自然にステロイドは消えるのしょうか?
| さや | 2008/08/13 2:46 AM |
「さや」さんの質問に回答いたします。

一般に、ステロイド剤を皮膚に浸透させるための工夫は色々と考えられていますが、微量のステロイド剤が及ぼす影響については聞いたことがありません。
少なくとも、私自身は考えたことがありません。
常識的には、微量であればステロイド剤の効力がほとんど無いであろうとしかコメントできません。

そもそも、ステロイド剤とは副腎皮質ホルモンに似せた物質を人工的に作り出した薬剤であり、皮膚に付着したことで副作用を心配するような薬剤ではありません。

なお、使用されている製品の劣化などの細かい点については、製薬会社あるいは薬剤師に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?
| 副院長 | 2008/08/13 5:19 AM |
回答ありがとうございます。
例えば、ステロイドがものについた場合は自然に風化して消えるのでしょうか?
| さや | 2008/08/13 1:50 PM |
「さや」さんの質問にコメントいたします。

使用されている製品の風化などについては、製薬会社あるいは薬剤師に問い合わせをしてみてください。
| 副院長 | 2008/08/13 3:31 PM |
軟膏について勉強しています。記事を拝見しまして疑問を持ちました。僭越ながら質問させてください。

>2倍に薄めたとしても、そのステロイドの効き目はほとんど変わらないでしょう。
もちろん、10倍・100倍・・と希釈していけば効き目は弱くなりますが、10分の1・100分の1・・の効き目になるということではありません。

なぜ希釈しているにもかかわらず効果が変わらないのでしょうか?希釈基剤による浸透性の変化を無視できると仮定すれば、単純に希釈した分、皮膚に浸透する薬剤量も希釈されるはずですから、希釈倍率と塗布薬剤量(薬効)には明確な直線関係が生まれると思うのです。

私は何か勘違いしていますでしょうか?
| 薬学生 | 2013/02/01 12:50 PM |
「薬学生」さんの質問に回答いたします。

「希釈しているにもかかわらず効果が変わらない」のは、薬剤の成分が変わらないからだと思います。

そして、皮膚に外用する薬剤を考える上で「希釈基剤による浸透性の変化を無視」することはできません。
ステロイド外用薬の種類や希釈する基剤のpHによっては、ステロイドの分子構造が変化して活性が著しく落ちる場合もありますが、希釈によって皮膚への浸透性が高まる場合もあります。

また、ステロイドの場合は比較的分子量が小さいので、皮膚炎が無い状態でも角質層を透過すると思われますが、タクロリムスのような分子量の大きな薬剤では、皮膚炎の状態によって浸透性は異なります。

このような外用薬と皮膚への浸透性や作用については、薬学系の学術雑誌に多数の報告があると思います。
詳しくは、私のような個人の医師に質問するより、薬学系の先生に質問したり、薬学系の学術雑誌を検索した方が良いと考えます。
| 院長 | 2013/02/04 10:26 AM |
本日(2013年2月4日)にて、当ページ「ステロイドの軟膏は薄めると弱くなるの?」のコメント受付を締め切らせていただきます。

5年余りにわたって多数のコメントをいただき、誠にありがとうございました。
| 院長 | 2013/02/04 10:28 AM |
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