2007.10.31 Wednesday
壊死性筋膜炎
「壊死性筋膜炎(えしせい きんまくえん)」とは、蜂窩織炎(蜂巣炎)よりも更に深い皮下組織から筋膜の広範囲におよぶ重症の細菌感染です。
40歳以上の中高年で、糖尿病などの基礎疾患がある患者さんに多く生じます。
下肢(下腿)や外陰部に生じることが多く、外陰部に生じた壊死性筋膜炎は「フルニエ壊疽」とも呼ばれています。
激痛を伴う紅斑と腫れが急速に拡大して、2〜3日で病変部の皮膚は黒く壊死した状態になります。
病状が進行するにつれ病変部の知覚は低下していきます。
病変周囲の正常に見える皮膚の下でも、筋膜に沿って広範囲に細菌感染が進行している可能性があります。
発熱や全身の倦怠感などの強い全身症状を伴う場合が多いです。
原因菌にはA群β溶血性レンサ球菌が多く、他の細菌との混合感染の場合もあります。
できるだけ早期に診察を受け、抗生剤の点滴と壊死組織を除去する外科的処置(デブリドマン)を行う必要があります。
診断確定のために細菌培養検査や皮膚生検などを行うこともあります。
治療が遅れると、ショック症状や多臓器不全で死亡する確率が非常に高くなる疾患です。