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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎」とは、痒みのある湿疹が、良くなったり悪くなったり繰り返す疾患です。
逆に言えば、湿疹を何ヵ月も繰り返していなければ、アトピー性皮膚炎の診断にはなりません。

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは「アトピー素因」と呼ばれるアレルギーを起こしやすい体質を持っています。
具体的には、患者さん自身または家族に、気管支喘息アレルギー性鼻炎花粉症)・アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患があり、IgEというアレルギー反応を起こす抗体を産生しやすい体質があるということです。
また、実際に皮膚炎を生じている皮膚においては、アレルギー反応に関わる様々な種類の細胞が増加しており、軽微な刺激に対しても激しいアレルギー反応を起こしてしまう状態にあると言えます。
しかし、残念なことに、アレルギー体質を完全に消し去るような治療法は、現在の医学には存在しません。

以上のような免疫学的な異常に加えて、皮膚そのものにもバリア機能の異常というのがあります。
皮膚のバリア機能が低下していると、皮膚での適切な水分保持ができなくなってしまうため、乾燥肌になってしまいます。
このような皮膚では、かゆみに対して過敏な状態になっているということも、近年になって分かってきました。
また、皮膚のバリア機能が低下しているということは、皮膚の外からダニやハウスダスト、雑菌などが侵入しやすくなっているということです。
これによって、皮膚炎の悪化感染症を起こしやすくなります。
つまり、外用剤によるスキンケアだけではアトピー性皮膚炎の治療として不十分であり、ダニやハウスダストを除去するような部屋の掃除といった、生活環境の整備なども重要になります。

その他にも、アトピー性皮膚炎を悪化させる原因には、ストレスをはじめとして様々な要素が関係しているため、皮膚炎を繰り返し生じてしまう訳です。

悪化してしまった皮膚炎に対しては、できるだけ早期に十分な治療を行う必要があります。
なぜなら、十分な治療が行われていないと皮膚炎はどんどん悪化し、治療の効きにくいゴワゴワした厚い皮膚になり、色素沈着を残すようになってしまうからです。

そして、アトピー性皮膚炎の治療で最も重要なことは、「軽快した皮膚症状を再び悪化させないための努力を怠らないこと!」です。
「湿疹が悪化してから治療を行い、少し軽快したら治療を止めてしまう」といったことを繰り返していたのでは、いつまで経ってもアトピー性皮膚炎は良くならないのです。
| 肌のあれこれ | 23:00 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
はじめまして。
アトピー性皮膚炎について調べていて先生のブログにたどりつきました。
私は40代の女性ですが、小学生の頃に突然両手の平、指の手のひら側、指先に小さい水疱とかゆみが出るようになり、じゅくじゅくしたり、あかぎれのようにぱっくり割れたりしていました。

この症状がなんなのかは先生によって診断がまちまち(引っ越しが多く、皮膚科だけでも10近く変わってます)なのですが、最近、食物アレルギーのような症状が現れるようになり、アレルギー科でIgEを調べたところ、27と低かったです。

これはアトピーじゃないということなのでしょうか。

結果はまだ今の皮膚科の先生には伝えていませんが、今の先生は「接触性皮膚炎」の診断で、パッチテストはかなりやりましたがすべて陰性。
でも、実際に手に塗ると湿疹…
先生も原因についてはお手上げ状態で、原因は何でも治療法は一緒だから、とフルメタ軟膏を処方されています。

が、薬をつかっても、薬を塗っている部分は治ってもそれ以外の部分が水疱になるので、なんだか、患部を広げているだけのようです。
先生は現在の治療法を変える気はないようです。

治ったところは赤くがびがびに固く乾燥し、それも終わってやっと普通の皮膚になったか?と思うとまた水疱…です。

薬はフルメタのみなので、生活環境の整備と食事、洗剤等アトピー用のもの敏感肌用のものに変えるぐらいしか自分で気をつけるところはなく、生活のほとんどすべてを綿手袋をつけてやっています。

先生が書かれておられる
>「湿疹が悪化してから治療を行い、少し軽快したら治療を止めてしまう」といったことを繰り返していたのでは、いつまで経ってもアトピー性皮膚炎は良くならないのです。

とは具体的にどういう状態を指すのでしょうか。

一時は水仕事も素手で出来るぐらいに良くなっていた事もあったのに、ここ二年上記のような状態で気がめいってます。

ちなみに、現在の皮膚科には五年ぐらいお世話になっています。
| まちこ | 2010/07/27 1:25 AM |
「まちこ」さんの質問に回答いたします。

このブログ上で診察をすることはできませんので、診察をしていない私が「アトピーじゃないということなのでしょうか」という質問に回答することはできません。

「アトピー性皮膚炎」というのは、特に原因がないのに、痒みのある湿疹が良くなったり悪くなったり、体の左右同じような部位に繰り返し生じる皮膚疾患です。

血液中の「IgE」値は、アトピー性皮膚炎の診断に関係ありません。
しかし、アトピー性皮膚炎の多くは「IgE」値が高かったり、いわゆる「アトピー素因」と呼ばれるようなアレルギーを起こしやすい体質を持っていると言われています。

「湿疹が悪化してから治療を行い、少し軽快したら治療を止めてしまう」というのは、言い換えれば「湿疹が悪化してしまうまで治療を開始せず、湿疹が治っていないのに治療を中断してしまう」ということです。

以下のブログも参考にしてください。

「アレルギーの血液検査」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=175116
「進行性指掌角皮症(手あれ)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=492078
「汗疱(異汗性湿疹)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=752753
「ステロイド外用薬の分類(ランク)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1139944
「ウェットラップ手技(Wet Wraps)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=378068
「密封療法(ODT療法)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=211165
| 副院長 | 2010/08/06 10:56 AM |
お忙しいところ、お返事をいただきありがとうございました。

他の記事も読ませていただきました。
私の場合、ずっと治療も続けて行く中で良くなったり悪くなったりを繰り返しているので「アトピー」なのかも…と思いました。

とはいえ、今の症状は、どういう病名でも治療法は同じみたいなので、あきらめて今の薬を続けていこうと思います。
ステロイドを日常的に使っていてこの先どうなるのか?と思いますが、治療と言っても他にどうしようもないようなので…

ありがとうございました。
また読ませていただきます。
| まちこ | 2010/08/23 10:38 AM |
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