2007.10.01 Monday
アトピー性皮膚炎
「アトピー性皮膚炎」とは、痒みのある湿疹が、良くなったり悪くなったり繰り返す疾患です。
逆に言えば、湿疹を何ヵ月も繰り返していなければ、アトピー性皮膚炎の診断にはなりません。
アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは「アトピー素因」と呼ばれるアレルギーを起こしやすい体質を持っています。
具体的には、患者さん自身または家族に、気管支喘息・アレルギー性鼻炎(花粉症)・アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患があり、IgEというアレルギー反応を起こす抗体を産生しやすい体質があるということです。
また、実際に皮膚炎を生じている皮膚においては、アレルギー反応に関わる様々な種類の細胞が増加しており、軽微な刺激に対しても激しいアレルギー反応を起こしてしまう状態にあると言えます。
しかし、残念なことに、アレルギー体質を完全に消し去るような治療法は、現在の医学には存在しません。
以上のような免疫学的な異常に加えて、皮膚そのものにもバリア機能の異常というのがあります。
皮膚のバリア機能が低下していると、皮膚での適切な水分保持ができなくなってしまうため、乾燥肌になってしまいます。
このような皮膚では、かゆみに対して過敏な状態になっているということも、近年になって分かってきました。
また、皮膚のバリア機能が低下しているということは、皮膚の外からダニやハウスダスト、雑菌などが侵入しやすくなっているということです。
これによって、皮膚炎の悪化や感染症を起こしやすくなります。
つまり、外用剤によるスキンケアだけではアトピー性皮膚炎の治療として不十分であり、ダニやハウスダストを除去するような部屋の掃除といった、生活環境の整備なども重要になります。
その他にも、アトピー性皮膚炎を悪化させる原因には、ストレスをはじめとして様々な要素が関係しているため、皮膚炎を繰り返し生じてしまう訳です。
悪化してしまった皮膚炎に対しては、できるだけ早期に十分な治療を行う必要があります。
なぜなら、十分な治療が行われていないと皮膚炎はどんどん悪化し、治療の効きにくいゴワゴワした厚い皮膚になり、色素沈着を残すようになってしまうからです。
そして、アトピー性皮膚炎の治療で最も重要なことは、「軽快した皮膚症状を再び悪化させないための努力を怠らないこと!」です。
「湿疹が悪化してから治療を行い、少し軽快したら治療を止めてしまう」といったことを繰り返していたのでは、いつまで経ってもアトピー性皮膚炎は良くならないのです。