2007.09.26 Wednesday
褥瘡
人は寝ている間に無意識に寝返りを打ちますが、これは同じ部位に長時間圧力が加わらないようにしている動作(体位変換)です。
「褥瘡(じょくそう)」とは、いわゆる「とこずれ」のことであり、自力で体位変換ができず寝たきりの状態が続いている患者さんに多く発症します。
糖尿病などの基礎疾患があったり低栄養状態にあったりすると、さらに褥瘡を生じるリスクが高くなります。
褥瘡の原因は、持続的な皮膚の圧迫による血流障害です。
骨が突出しているため、寝ている時に圧迫を受けやすい腰の周囲や足に生じやすく、大半は仙骨部に生じます。
一般に褥瘡の重症度は、損傷を受けた皮膚の深さによって決まります。
皮膚の浅いレベルでの損傷であれば、比較的容易に治癒します。
ところが、皮下脂肪や筋肉に達するような深い損傷(潰瘍)の場合、見た目以上の範囲にまでダメージが及んでいることもあり、治療には非常に多くの時間を要します。
症状によっては、外科的な処置を行う場合もあります。
以前は褥瘡部位を消毒することが多かったのですが、かえって創傷治癒反応を遅らせてしまうことが多いため、現在では原則として褥瘡の消毒は行いません。
近年では褥瘡予防のための様々な体圧分散寝具が普及し、病院や介護施設をはじめとして、自宅でも使用されるようになってきました。
しかし、寝たきりの状態で褥瘡を生じやすい患者さんでは、体位変換をこまめに行うなどの十分な予防が不可欠になります。