2007.06.13 Wednesday
顕微鏡検査って何が見えるの?

皮膚科の診療では顕微鏡検査をよく行います。
顕微鏡を用いると、見たり(視診)触れたり(触診)しただけでは確認できない皮膚の微生物を100倍以上に拡大して観察することができます。
最も使用する機会が多いのは、水虫の検査です。
水虫の原因菌である白癬菌は、皮膚の角質を栄養にして繁殖しているため、皮膚表面の角質を掻き取るだけで採取することができます。
しかし、それだけでは何層にも重なった角質が邪魔をして、白癬菌を見つけることはできません。
白癬菌を確認するためには、pHが12以上の強いアルカリ性溶液で角質を溶かす必要があります。
アルカリ性溶液によって角質は加水分解されるため、残った白癬菌を簡単に観察できるようになる訳です。
疥癬の診断をする場合にも顕微鏡検査を行い、原因となるヒゼンダニを確認する必要があります。
水虫の検査と同様にアルカリ性溶液で角質を溶解し、ヒゼンダニの虫体を確認します。
虫体が見つからない場合にも、虫卵や糞を見つけることができれば診断が可能です。
他にも、カンジダやマラセチアなどの真菌、頭虱(アタマジラミ)や毛虱(ケジラミ)、ニキビダニなどの微生物を確認する時に顕微鏡検査を行います。