2007.05.21 Monday
深部静脈血栓症
「深部静脈血栓症」は必ずしも皮膚科で診断や治療を行う疾患ではありませんが、先週当クリニックを受診された患者さんがいらっしゃいましたので、簡単に触れておきます。
深部静脈血栓症とは、体の深いところにある太い静脈に血栓が生じ、血液の流れが滞ってしまう病気です。
この血栓が肺に飛んでしまうと、突然死をきたす可能性があります。
手術後や長期臥床、感染症、脱水状態などが発症の引き金になります。
飛行機などで長時間同じ姿勢を続けていても血栓を生じやすく、この場合はロングフライト血栓症、あるいは旅行者血栓症と呼ばれています。
下肢の深部静脈に血栓が生じてしまうと、皮膚は炎症によって赤くなったり、うっ血によって紫色になったりします。
静脈の血流が遮断されてしまうため静脈高血圧となり、著しい浮腫(むくみ)を生じるのが特徴です。
今回の患者さんは2ヵ月前から蜂窩織炎として治療されていましたが、なかなか右下肢の浮腫が軽快しないということで当クリニックを受診されました。
血管病変を得意とする病院に紹介したため、すぐに確定診断に至り入院治療となりました。