2006.11.22 Wednesday
ジェネリック医薬品(後発医薬品)
「ジェネリック医薬品(後発品)」とは、「新薬(先発品)」として発売された薬の特許期間が過ぎたものを、他のメーカーで製造するようになった薬のことです。
新薬の特許期間が切れると、後発品がゾロゾロ多数出てくるので「ゾロ」と呼ばれていましたが、最近では「ジェネリック医薬品」という言葉がすっかり定着してきました。
「新薬」はメーカーが莫大な費用と年月をかけて研究開発しますが、「ジェネリック医薬品」はすでに効果や安全性が確認済みの薬を製造するだけですので、価格は新薬の2〜8割になるように国で設定されています。
患者さんにとって、同じ成分で低価格の薬というのは非常に魅力的です。
ところが、有効成分が同じであるはずの薬であっても、メーカーが異なり製造過程が違うと含まれている成分に違いが出る場合があるのです。
以下に塗り薬での具体例を紹介します。
デルモベート軟膏(先発品)とマイアロン軟膏(後発品)は同じ薬とされていますが、マイアロン軟膏にはクエン酸が含まれているため、酸性で不安定な軟膏と混合した時に効果が変わってしまいます。
ヒルドイドローション(先発品)とビーソフテンローション(後発品)も同じ薬とされていますが、ヒルドイドローションが保湿力に優れた白い乳液状であるのに対し、ビーソフテンローションはサラサラの透明な液体です。
皮膚科では、保湿剤としてヒルドイドを処方する機会が非常に多いので、ヒルドイドとビーソフテンは全く違う薬という印象があります。
このように、「ジェネリック医薬品」は低価格で魅力的ですが、100%「先発品」と同じではないという理解も必要なのです。