2018.10.03 Wednesday
女性型脱毛症(びまん性脱毛症)
「女性型脱毛症」とは、頭頂部の比較的広い範囲の毛髪だけが、通常の太さの半分以下に細くなってしまう症状を特徴とし、思春期以降(主に更年期や閉経後)の女性にみられる「びまん性脱毛症」です。
正常な頭髪の太さは直径0.06mm以上ありますが、女性型脱毛症では太さが直径0.03mm以下の毛髪になってしまいます。
そのため、抜け毛が気になるというよりも、髪のボリュームが減って分け目が目立つようになったことで気付くことも多いようです。
女性型脱毛症は男性ホルモンの影響が指摘されていますが、男性型脱毛症(AGA)でみられるような前頭部のヘアラインの後退(額がM型に拡がる)といった症状は通常みられません。
生理的な現象と言えますが、外見上の印象に影響するため、様々な治療が試みられています。
2017年に発表された「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、女性型脱毛症において推奨度A(行うよう強く勧める)とされているのは、ミノキシジル外用のみです。
国内で発売されているミノキシジル外用は「リアップ(RiUP)」という商品名のものだけですが、2005年から女性用として「リアップ リジェンヌ(RiUP Regenne)」が発売されています。
ただし「リアップ リジェンヌ」は比較的高価な育毛剤であるため、より安価な「アデノゲン グレイシイ(アデノシン外用)」や「コラージュフルフル育毛ローション(エチニルエストラジオール外用)」などを選択肢に考えてみるのも良いかも知れません。
また、保険診療で処方できる薬剤では、フロジン液(塩化カルプロニウム)という外用薬があります。
「カロヤン」という名称で市販もされている塩化カルプロニウムは、ミノキシジル外用ほどの効果は無いものの、保険診療の範囲内で皮膚科専門医の診察を受けながら治療を継続することができます。
一方、男性型脱毛症の治療に使用されているプロペシア(フィナステリド)やザガーロなどは、女性型脱毛症に対して十分な効果と安全性が確認されておらず、使用すべきではないとされています。
さらに、近年ではウィッグ(かつら)も進化しているため、男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインに取り上げられています。
ウィッグによって脱毛の症状が悪化することは無く、おしゃれ感覚で気軽に症状を隠すことができるため、QOL(生活の質)を上げるために有効です。
いずれの治療を選択するにしても、バランスの良い食事や規則正しい生活といった生活習慣の改善も重要と考えられています。
十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜めない生活が送れるように工夫してみましょう。
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