2018.04.11 Wednesday
日光黒子(老人性色素斑)
皮膚科で「しみ」と言えば「肝斑(かんぱん)」を意味しますが、世間一般に「しみ」と呼ばれている色素斑は「日光黒子(にっこう こくし)」であることが多いようです。
「日光黒子」は、30歳頃から徐々に生じるようになり、40歳代の約6割、50歳代の約8割、60歳以上になるとほぼ全ての人に出現すると言われている皮膚症状です。
「老人性色素斑」とも呼ばれていますが、その発症には慢性的な日光暴露による「光老化」の機序が明らかになっており、一概に老化現象と言い切れない面もあります。
皮膚の光老化の一種ですから、日光(紫外線)に当たる機会の多い顔(特に頬やコメカミ)、手背(手の甲)などに褐色の色素斑として出現します。
雀卵斑(そばかす)のように数mm程度の小さな色素斑が多発する小斑型と、融合して数cmにも拡大することがある大斑型があります。
海水浴の後など、肩から背中に生じる「光線性花弁状色素斑」も日光黒子の一種と考えられています。
日光黒子を少しでも予防する対策としては、日焼け止め(サンスクリーン剤)を使用するなど、遮光を心がけることが最も重要になります。
ハイドロキノンなどの美白剤や、Q-スイッチ付レーザー治療、IPLによる光治療などが行われていますが、いずれも自由診療であり保険適応ではありません。
※ 当院では、サンスクリーン剤、ハイドロキノン美容液、ビタミンC美容液、トレチノイン軟膏の販売を行っていますが、レーザー治療やケミカルピーリングなどは行っておりません。
日光黒子から、隆起した「脂漏性角化症(老人性疣贅)」を生じることもあり、その場合は液体窒素療法などで隆起した病変の治療を行います。
※ 液体窒素療法は保険適応であり、当院でも行っています。
黒色が非常に濃い場合や、色素斑が急激に拡大している場合には、悪性腫瘍(基底細胞癌、悪性黒子、悪性黒色腫など)である可能性もあります。
気になる色素斑がある場合には、早めに皮膚科専門医を受診するようにしましょう。
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