2016.11.04 Friday
新しいニキビ治療薬「エピデュオゲル」について

「エピデュオゲル」という新しいニキビ治療薬が国内で保険適応となり、本日(平成28年11月4日)から医療機関で処方できるようになりました。
エピデュオゲルに含まれる有効成分は、「アダパレン」と「過酸化ベンゾイル(BPO)」であり、それぞれ「ディフェリンゲル」および「ベピオゲル」として既にニキビ治療に使用されています。
ですから、過去にディフェリンゲルまたはベピオゲルを使用し効果不十分であった方や、現在ディフェリンゲルとベピオゲルを併用して治療を行っている方におすすめできる薬剤です。

アダパレンは、表皮角化細胞における顆粒細胞から角質細胞への分化を抑制することで、ニキビの前段階である小さな毛孔の閉塞(微小面皰)の発生を抑制します。
一方の過酸化ベンゾイルは、角質細胞同士の結合を弛めることで角層の剥離を促し、角層の肥厚に伴う微小面皰(白ニキビ)の発生を抑制します。
また、過酸化ベンゾイルには、アクネ菌や表皮ブドウ球菌の細胞膜などに直接作用して抗菌活性を発揮するため、炎症を生じたニキビ(赤ニキビ)に対しても有効です。
既存の抗生剤とは異なり、耐性菌を心配する必要がない点も大きな利点と言えます。
エピデュオゲルの使用方法は、ディフェリンゲルと同様であり、夕方〜就寝前の洗顔後、顔のみに1日1回使用します。
なお、レチノイド様の作用を有する薬剤であるため、妊娠中や授乳中には使用することができません。
エピデュオゲルは、アダパレンと過酸化ベンゾイルの相乗効果によりニキビに対する有効性が高まっているのと同時に、副作用として刺激感や乾燥肌の頻度も高くなる可能性があります。
しかし多くの場合、保湿剤(化粧水や乳液など)を併用することでトラブルを回避することが可能です。
小冊子「エピデュオゲルを使用される方へ」にも記載されている通り、低刺激性保湿化粧品(ノンコメドジェニックの表示のあるもの)により肌の状態を整えてからエピデュオゲルを塗るというのが望ましい使用方法です。
以下のサイトも参考にしてください。
「ディフェリンゲルの使い方」2009年9月13日
「ベピオゲルによる新しいニキビ治療」2015年4月1日