2015.05.22 Friday
「デュアック配合ゲル」の発売について

先月(平成27年4月1日)、過酸化ベンゾイル(BPO)を主成分とする「ベピオゲル」というニキビ治療薬が発売されました。
そして今週(平成27年5月20日)から、同じく過酸化ベンゾイルを主成分とする新しいニキビ治療薬「デュアック配合ゲル」が登場(薬価収載)となりました。
デュアック配合ゲルは、過酸化ベンゾイルに抗生剤としてクリンダマイシンを配合しており、この2つ(デュアル)の効果(アクション)という意味から「デュアック」と命名されたそうです。
さて、ベピオゲルとデュアック配合ゲルを比較してみます。

まず、主成分である過酸化ベンゾイルの濃度ですが、ベピオが 2.5%に対しデュアックは 3%です。
2.5%でもニキビ治療としては十分な効果があると言われていますが、デュアックは 3%ですので、より強力な効果が期待されます。
また、デュアックには、ダラシンTゲルなどの主成分である抗生物質クリンダマイシンを配合しているため、より速やかにニキビの炎症を抑える効果が期待できます。
しかし、欧米諸国ではすでに大きな問題となっている耐性菌という観点から、炎症の治ったニキビに対して漫然と抗生剤を使用するのは好ましくありません。
つまり、デュアック配合ゲルは、ニキビ(尋常性ざ瘡)の初期治療もしくは悪化時の治療として用いるのに適しており、炎症が治ったニキビの再発防止あるいは維持療法としては、ベピオゲルやディフェリンゲルの方が適していると考えることができます。
なお、デュアック配合ゲルは、冷所(2〜8℃)で保存するように記載されているため、自宅では冷蔵庫で保管することになります。
常温で長時間持ち歩くには不適切な薬剤であるため、処方箋を発行された場合は、できるだけ自宅に近い薬局で受け取るのが望ましいでしょう。