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保湿剤とステロイド、先に塗るのはどっち?


アトピー性皮膚炎の患者さんや患児の母親から、比較的よく質問される内容です。

「保湿剤とステロイド、どちらを先に塗るのが良いの?」


結論から言ってしまうと、どちらが先でも大きな違いはありません。

しかし、全く同じという意味ではありません。
湿疹の重症度、あるいは皮疹の分布によって、塗る順番にも意味が出てきます。


アトピーでみられる乾燥肌(atopic dry skin)あるいは皮脂欠乏性湿疹といった軽症の皮膚炎であれば、まず最初に保湿剤を塗るのが妥当です。

逆に、ステロイド外用薬を先に塗ってしまうと、後から塗る保湿剤によって、必要のない部位にまでステロイドを塗り広げてしまうことになります。
その結果、皮膚炎の無い部位にステロイド外用薬を塗り続けることになるため、ステロイドの副作用を心配する必要が出てきてしまいます。

保湿剤は皮膚の乾燥を予防するために用いますが、乾燥の目立たない部位に塗っても全く問題ありません。
そのため、保湿剤広範囲に十分な量を塗るようにし、ステロイド外用薬その後で必要な部位のみに塗るのが合理的であると言えます。


一方、皮膚の炎症(赤み)が強く中等症以上の湿疹である場合には、最初にステロイド外用薬を塗るのが妥当でしょう。

速やかに炎症による痒みを抑えたい訳ですから、保湿剤の前にステロイドの軟膏を直接塗るのが効果的な治療であると言えます。

特に、掻き傷が多くビランを伴うような湿疹部に、いきなり添加物の多い保湿剤を塗ってしまうと、その刺激のために湿疹が悪化してしまう可能性が考えられます。
ですから、まずステロイドの軟膏を湿疹のひどい部位に塗り、そこを避けるように後から全体に保湿剤を塗るべきでしょう。


適切な保湿剤が見つからず、精製されたワセリンを保湿剤として使用している場合もあると思います。

厳密には、ワセリンは軟膏の基剤であり、それ自体に保湿効果はありません
しかし、掻き傷ビラン面を刺激することなく保護するという効果があり、ステロイドの軟膏も基剤は精製されたワセリンです。

ですから、このような場合は、先にワセリンを全体に塗り、後から湿疹部にステロイド外用薬を塗るという順番でも特に問題はありません。


上の写真は、京都植物園で撮影したものです。
(撮影:住吉孝男)
| 院長ブログ | 17:54 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
お忙しい中、ブログでも
皮膚についての
ご回答を下さる住吉先生に
感謝いたします。

塗り薬についての質問
よろしいでしょうか?

経皮感作やその他アレルゲンについて
など最近よく目にしますが、
質問に関しては食物アレルギー等の
アレルギー反応ではなくて
湿疹やニキビやアトピーなどの
症状についてだとすると

質問1 塗り薬を塗った状態の肌に
外出時のホコリや花粉、
室内のハウスダスト、ペットの毛、
洗剤などが付着すると
ステロイドやプロトピックの場合は
化粧品の保湿剤とは違い
吸収性があると思うのですが?
抗炎症等の薬理の成分の吸収
以外にもアレルゲンなども
同時に吸収されてしまうと
いうことはあるのでしょうか?

また、プロペトなどの肌表面
に保湿の膜?保護する役割で
吸収しない類の塗り薬では
逆にアレルゲンからのバリアに
なったりしますか?

質問2 荒れた肌状態の場合は
例えば料理中に魚や肉などの
調理の際にその手で肌に
触れると衛生上に加えて
肌荒れの元になりますか?

素人なので的外れといいますか細かすぎる質問かもしれず
すみません、
外用薬を使用している人には
色々なライフスタイルがあると思うので
アドバイスやご回答いただけましたら
たすかります。
| みきぷる | 2016/05/13 6:36 PM |
「みきぷる」さんの質問に回答いたします。

プロトピック軟膏の基剤はワセリンであり、多くのステロイド外用薬の基剤もワセリンです。
ちなみに、プロペトは眼科用に精製されたワセリンです。
ワセリンのような油脂性の外用薬は、一般的な化粧水や保湿剤とは比べものにならないくらい皮膚への浸透性が高くありません。

魚や肉に対するアレルギー反応(あるいは刺激反応)には、個人差があると思います。
また、肌荒れの状態(重症度)によっても、刺激を受ける程度が異なってくると思います。
詳しくは、実際の症状を診察している担当医から説明を受けるようにしてください。
| 院長 | 2016/05/14 5:38 PM |
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