2014.10.22 Wednesday
ネームプレート
上の写真は、私が診察時に着ている白衣に付けているネームプレートです。
これは、順天堂大学の皮膚科学教室に入局してから数年間大学で使用していたものです。
現在、大学でのネームプレートは顔写真付きに変更されていますが、この古いネームプレートが捨てられずにいます。
その理由の1つは、入局当時の新鮮な気持ちを忘れたくないからです。
現在は24時間体制の病棟業務には携わっておらず、当院でも順天堂医院でも外来診療のみとなりましたが、私が研修医になった当時は、朝から夜までかなり忙しく仕事をしていました。
皮膚科専門医となってからも10年が経過しましたが、皮膚科医としての経験が積まれていくと同時に、研修医の頃の謙虚な姿勢が失われていないか時々不安になります。
そこで、このネームプレートを胸に付け、初心忘るべからずと自分自身に言い聞かせるようにしています。
また、このネームプレートの裏には、誰にも見せたことのない秘密のシールが貼られています。
このシールは、栄養障害型の先天性表皮水疱症という難病のため、順天堂医院の皮膚科病棟に入院を繰り返していた少女からプレゼントされたものです。
当院のような個人のクリニックでは、このような重症の患者さんを診察することはありませんが、先天性の皮膚疾患のため、生まれながらにして不自由な生活を強いられていた患者さんがいたことを忘れないためにも、このネームプレートを大切にしていきたいと思います。