2013.03.01 Friday
単純疱疹(口唇ヘルペス)に対する新しい内服治療
先週から、単純疱疹(口唇ヘルペス)の新しい治療薬として「ファムビル錠」が保険適応に追加されました。
単純疱疹(口唇ヘルペス)に対する内服薬としては「バルトレックス」と「ゾビラックス」だけが保険適応でしたが、今回の適応追加によって選択肢が増えたことになります。
ファムビルは、今までは「帯状疱疹」のみに保険適応があり、バルトレックスと同様に1日6錠で7日間服用していました。
ところが、単純疱疹に対するファムビルの保険適応は1日3錠で5日間の服用です。
今まで保険適応として使用してきたバルトレックスが1日2錠で5日間の服用であったことと比較すると、薬価が同等であることから、ファムビルの方が割高ということになります。
これは、バルトレックスの方がファムビルより抗ウイルス作用が強いという表れなのかも知れません。
一般に単純疱疹は、症状の出現から2〜3日後には、ウイルスが減少していると言われています。
つまり、症状の出現から3日以内に抗ウイルス薬を服用しないと、十分な効果が得られませんと考えられます。
実際に海外では、ファムビルを1日に6錠分を1回服用するだけで、十分な発症抑制作用だけでなく、再発抑制効果もあると認められています。
国内では、このような1回のみの服用治療というのは認可されていませんが、従来のバルトレックス内服による治療では頻繁に単純疱疹を繰り返してしまうという方にとっては、新たな適応薬であるファムビルの内服治療を試してみる価値がありそうです。
上の写真は、東京都・目黒川で撮影した桜です。
(撮影:住吉孝二)