2012.03.13 Tuesday
低温やけどに注意【OL3分ニュース】
先週発行された「シティリビング」3月号の【OL3分ニュース】に、当クリニックでの取材記事が掲載されましたので紹介いたします。
エコなあったかグッズとして人気の湯たんぽやカイロですが、誤った使い方による「低温やけど」のトラブルが増えています。
東京都生活文化局は「カイロポケット付きの肌着に使い捨てカイロを入れて着用する際は、カイロが当たる部分を締め付けたり、長時間入れたままにしないこと。皮下脂肪の少ない部分に使う場合は特に注意して」などと呼びかけています。
住吉皮膚科(東京・墨田区)では、スネに低温やけどを負って来院する若年層の患者さんが増えています。
「原因は就寝時の湯たんぽ。スネは皮膚が薄いためダメージを受けやすい」と院長の住吉孝二さん。
50度で3分、46度で30分〜1時間、44度で6時間以上密着すると、熱の逃げ場がなくなり、皮膚が損傷を起こすといわれています。
低温やけどの怖いところは、自覚しづらく、軽く見えても深部まで損傷しているケースがあること。
「多少ヒリヒリしたり赤くなっても、表皮だけであれば、日焼けのように自然治癒しますが、それを自己判断で見極めるのは困難です。もし水ぶくれができたり、強い痛みを感じるようなら、真皮までダメージを受けている可能性も。治療には数週間以上を要する可能性があります。さらに重症化して壊疽(えそ)や潰瘍(かいよう)を起こした状態なら、手術が必要な場合も」。
皮膚がおかしいと感じたら、すぐに水などで患部を冷やして皮膚科へ。
やけどの重症度を左右するのは、熱に接してから24時間。
その間にいかに炎症を抑えるかがポイントだそう。
まだ湯たんぽやカイロが重宝しそうな春先の肌寒い日々。
注意書きをよく読んで正しく使って、と住吉先生。
また春はお酒を飲む機会が増えそうですが、酔って眠り込んだときは、熱に気付きにくいので注意をしてくださいね。
「軽く見えても奥まで損傷していることがある低温やけど。ダメージが真皮まで及ぶと瘢痕(はんこん)が残りやすいので要注意です」と住吉先生
<私たちへの影響>
心地よい温度でも長時間の密着は危険