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治せ!アトピー性皮膚炎


昨日(9月5日)の、NHK「あさイチ」という番組で「治せ!アトピー性皮膚炎と題した放送がありましたので、その内容を紹介いたします。

何年間もアトピー性皮膚炎に苦しんできた患者さんたちの症状を、わずかな期間で軽快させることができたのは、いったい何故だったのでしょうか?


<アトピー治療 カギは「皮膚のバリア」>

数年前から、アトピー性皮膚炎における「皮膚のバリア」という視点が再び脚光を浴びるようになりました。
皮膚の角質層を構成しているフィラグリンと呼ばれるタンパク質の異常によって、皮膚のバリア機能が障害されてしまっているアトピー性皮膚炎の患者さんが多いことが分かってきたからです。

つまり、皮膚にバリアをはることで、アトピー性皮膚炎を悪化させる様々な要因が、体の中に侵入するのを防ぐことが重要なのです。

具体例として、入浴時の注意点について紹介されていました。

まず、よく泡立てたきめ細かい泡で洗うこと。
そして、皮膚の表面を刺激してしまうタオルやスポンジなどは使用せず、手で優しく揉むように洗うことです。
入浴後は、早めに保湿剤を使用するというのも重要になります。


<誤解の多い ステロイド薬>

アトピー性皮膚炎になると、まず処方されるのが「ステロイド薬」です。
しかし、ステロイド薬には「怖い」とか「効かなくなる」といった悪いイメージがつきまとってしまうようです。


ステロイド薬で「皮膚が黒くなる」のでは…?
アトピー性皮膚炎肌が黒くなるのは、ステロイド薬のせいではありません
アトピー性皮膚炎の肌は、炎症を起こしているため、メラニン色素が沈着しやすくなっています。
特に、肌の炎症が強いところほど、メラニン色素が皮膚の深いところに落ちて取れなくなっています。
皮膚の炎症が抑えられると、時間が経てば徐々に黒い色は取れてきます。


ステロイド薬は、成分が「体内に蓄積する」のでは?
ステロイド薬というのは、もともと人の体で作られている「副腎皮質ホルモン」を人工的に合成したものです。
数日中に分解されてしまうため、体内に蓄積する心配はありません


ステロイド薬の「副作用は大丈夫」?
ステロイドの塗り薬で、最も気をつけなければならない副作用は、使い続けると「皮膚が薄くなる」ことです。
どのくらいの量や期間でこうした問題が起きるかは、その人の皮膚の状態と使っている薬の強さによって個人差があります。
また、部位によるステロイド薬の皮膚への吸収率の違いも大きく影響しています。


<守れていますか?正しい用量>

意外に守られていないのが、塗り薬の適切な使用量です。
ステロイド薬を使う際は、人差し指の先から第1関節まで(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分に塗るのが、正しい量の目安になります。

塗り方のポイントとしては、すり込まない「のせる」ように塗ることです。
また、少し症状が良くなったからといって、すぐに塗るのを止めるのではなく皮膚が完全にキレイになるまで、しばらく塗り続ける必要があります。
そして、再発した場合にはできるだけ早くステロイド薬を塗り始めることが重要です。


番組では、ゲスト解説者として国立成育医療センターの大矢幸弘先生が出演されており、様々な疑問点に回答していました。
そして、治療やスキンケアの努力は、必ず報われると力強く解説されていました。


アトピー性皮膚炎になりやすい体質を治すことはできません。
しかし、湿疹の無い肌にしたり、かゆみが無い状態にすることはできます。

そして、アトピー性皮膚炎の治療というのは、湿疹が無くなったら終わりではありません。
湿疹が無くなってから、その良い状態をいかにキープできるかが本当に重要な点であると言えるでしょう。


上の写真は、東京・東武博物館で撮影した旧型客車の様子です。
(撮影:住吉孝二
| 院長ブログ | 01:24 | comments(9) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
こんにちは。
アトピー性皮膚炎で治療中です。
成人になってから魚介・きのこ類を食べるとアトピーが悪化する気がします。これは食物アレルギーなのでしょうか?
以前は顔だと右頬と右顎下あたりに湿疹が出来やすかったのですが最近は右顎下のみに湿疹が出来やすいです。同じように治療してるのですが右頬は上手く治療出来ていて右顎下は出来ていないというとらえ方で良いのでしょうか?以前は右頬も湿疹が凄かったので、右顎下も上手く治療出来て同じようになれば良いのになと今は治療を頑張ろうと思うのですが…。
それと最近は乾燥が増してくる時期なのでお風呂上がりの保湿について教えて頂けたら嬉しいです。薬よりも先に保湿剤等を塗っても薬の浸透力に違いはありますか?
お忙しい中すみません。ご回答頂けたら嬉しいです。
| あこ | 2011/09/21 8:38 AM |
「あこ」さんの質問に回答いたします。

明らかに特定の食物を摂取して症状が悪化するのであれば、できる範囲で避けるようにしてみるべきでしょうし、アレルギーの検査をしてみても良いでしょう。
なお、経過と治療に関しては、実際の症状を診察している担当医に伝え、よく相談するようにしてください。

保湿剤とステロイドなどの外用薬を塗る順番についてですが、基本的にはどちらが先でも構いません。
ただし、基剤によって浸透性に違いがありますので、サラッとしたクリームやローションの基剤を先に塗って、ベタッとした軟膏基剤を後から塗るといった配慮は必要かと思われます。

以下のブログも参考にしてください。

「アレルギーの血液検査」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=175116
「軟膏とクリームの違い」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=166346
「外用量の目安:FTU(フィンガー・ティップ・ユニット)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1157065
「当クリニック取り扱い保湿剤:AD パーフェクトバリア」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1151886
| 院長 | 2011/09/30 12:44 PM |
孫がアトピー治療中ですが
ステロイド治療しないぬり薬はなく、飲み薬だけで直ると断言される先生に診ていただいております
孫は全身痒く傷だらけです
この治療法は良いものか?痒くて泣いている孫を見るに耐えられない状況です
不安感が強くなる一方です
このような治療法もあるのでしょうか?
教えてください
| 桜井 照子 | 2011/10/31 2:05 AM |
「桜井 照子」さんの質問に回答いたします。

一般的なアトピー性皮膚炎の治療としては、ステロイド外用薬とタクロリムス外用薬を使い分けていくというのが、現在のスタンダードな治療になっています。

そういう意味で、ステロイド外用薬は欠かすことのできない治療の選択肢であると言えます。
もちろん、アトピー性皮膚炎の症状は人それぞれであるため、その重症度に応じて、塗り薬以外にも様々な治療が行われています。

補助的な治療としては、抗ヒスタミン薬やTh2サイトカイン阻害薬を併用するのが一般的です。
その患者さんの体質に合えば、漢方薬を試してみる場合もあるでしょう。

最近では、シクロスポリンの内服が保険適応となり、痒みの強い重症のアトピー性皮膚炎の治療などに用いられています。
施設によっては光線療法(NB-UVB療法やPUVA療法など)も行われています。

医療機関で行われている主な治療は上記の通りですが、患者さん自身でも、生活環境や生活習慣の見直しをしていく必要があります。

つまり、アトピー性皮膚炎の治療で重要なことは、湿疹を良くするために努力するのではなく、適切な治療によって良くなった皮膚症状を再び悪化させないように努力することなのです。

以下のブログも参考にしてください。

「アトピー性皮膚炎の治療」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=98764
「アトピーに痒み止めの飲み薬って効くの?」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1197150
「プロトピック軟膏の使い方」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=455198
「プロトピック軟膏の適切な使用量」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1197095
「ウェットラップ手技(Wet Wraps)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=378068
「ネオーラルによる新しいアトピー性皮膚炎の治療」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=863186
| 院長 | 2011/11/08 10:28 AM |
初めまして。
私は2年前からアトピー性皮膚炎になりました。
現在は皮膚科に2ヶ月に1回の頻度で通っており、飲み薬(アレロック・シナール顆粒)と塗り薬(アンテベート・プロトピック)の治療をしています。
症状は全身に出ていますが、赤みの湿疹が出るだけでリンパ液などは一切出ません。
医師からは「ステロイドは湿疹が出たらすぐに塗る。良くなれば塗らないように」と言われています。
この塗り方だと酷い湿疹でも1週間塗れば皮膚はツルツルになります。
その後ピタっと塗るのをやめると数週間後には再発します。
結局は塗る→やめる→塗る→やめるの繰り返しで一向に再発を防げません。
保湿も以前はしていたのですが、どうも悪化するようで現在はしていません。

本当にこの塗り方で問題ないのでしょうか?
ダラダラと塗っているような気がしますし、再発する時点でマシになっているとは思えません。
軽い湿疹でもすぐにステロイドは塗るべきなのでしょうか。
症状はまだ軽い方だと思いますが、やはり赤みのある湿疹が発生すると憂鬱になってしまいます。

元々私はアレルゲン持ち(喘息・鼻炎あり)です。
丁度アトピーになる前に猫を飼い始めたのですが、これがキッカケになった可能性はあるのでしょうか?
それまで全く湿疹は出ず、飼い始めてから急の事です。
今年の4月にアレルギー検査をしたところ、猫に陽性が出てしまったため、里親を見つけ引き取って頂きました。
ハウスダストやダニにも陽性が出ましたが、数年前に喘息の時にしたアレルギー検査と比べると数値は下がっていました。

最近気付いた事がありまして、片耳にピアスをしているのですが、どうもその部分が痒くて赤くなっています。
「もしかして金属アレルギーになった?」と考えているのですが、一度検査するべきでしょうか。
歯の詰物も銀歯ですし、これも関係しているのかなと。

長文本当に申し訳御座いません。
| キジトラ | 2011/12/21 4:15 AM |
「キジトラ」さんの質問に回答いたします。

アトピー性皮膚炎の治療で最も重要なことは、ステロイド外用薬などによる治療で「軽快した皮膚症状を再び悪化させないための努力を怠らないこと」です。
「湿疹が悪化してから治療を行い、少し軽快したら治療を止めてしまう」といったことを繰り返していたのでは、いつまで経ってもアトピー性皮膚炎は良くなりません。

治療や予防を怠ると悪化するのがアトピー性皮膚炎の特徴ですから、十分に湿疹が治まってから、徐々に薬の外用量や外用回数を減らしたり、ランクの低い(弱い)薬に変更していく必要があります。
そのためには、症状の軽快を自己判断せず、皮膚炎の状態を客観的に判断できる皮膚科専門医などの指示に従うことが重要だと思います。

また、ステロイド外用薬との違いを利用し、プロトピック軟膏を寛解維持療法として継続していくことも重要であると言えます。


一般に「アトピー疾患」と呼ばれている疾患には、アトピー性皮膚炎以外にもアレルギー性鼻炎や気管支喘息などがあります。

例えば、ダニやハウスダストに対するアレルギー抗体を持っていたとしても、実際に現れる症状はアトピー性皮膚炎であったり、気管支喘息であったり、アレルギー性鼻炎であったり人それぞれです。
逆に言えば、アレルギー抗体を持っていても、何も症状が出ない人もいます。

もちろん、アレルギー検査の結果は診断や治療の方向性を考える上で参考にはなります。
しかし、アレルギー検査の結果と実際の症状は、必ずしも一致する訳ではありません。
ですから、治療は検査の結果によって決めるのではなく、実際に現れている症状に対して行われる必要があるのです。


金属アレルギーというのは、長時間の接触による4型アレルギーに属する反応と考えられるため、アトピー性皮膚炎の湿疹反応とは直接関係無いと考えるのが妥当でしょう。
ちなみに、金属アレルギーが関与しやすい皮膚疾患には、扁平苔癬や掌蹠膿疱症などがあります。

以下のブログも参考にしてください。

「アトピー性皮膚炎」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=441189
「アトピー性皮膚炎は何歳で治るの?」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=940980
「プロトピック軟膏の使い方」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=455198
「プロトピック軟膏の適切な使用量」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1197095
「アレルギーの血液検査」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=175116
「扁平苔癬」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=394054
「掌蹠膿疱症」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=159947
| 院長 | 2011/12/29 10:19 PM |
住吉先生

頭皮のアトピー性皮膚炎の治療ついてお尋ねします。

10数年前に顔と首まわりにプロトピック軟膏を使うようになって、かなり症状が改善して、現在では抗アレルギー剤の内服と保湿剤でほぼコントロール出来るようになりました。ただ、頭皮だけは乾燥とかゆみがあり、湿疹がひどくなることもあります。

三年ほど前から近所の皮膚科の先生に、メサデルムローション、ビーソフテンローションをずっと処方していただいていますが、なかなか改善しません。先生も「頭はなかなか治りにくいからね」とおっしゃっていて、難しいのは理解していますが、他に何か試せる治療法はないのでしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いします。
| あり | 2016/05/12 8:44 PM |
「あり」さんの質問に回答いたします。

頭皮に毛髪があまり無いか短髪にしているのであれば、他の部位と同様に外用薬を使用できると思いますし、光線療法も選択できます。
しかし、長い毛髪が多いのであれば、やはりローション剤を外用することが多くなると思います。

ステロイドの外用薬という点で言えば、メサデルムは比較的弱いランクになりますので、まずは1段階あるいは2段階強いランクのステロイドに変更するというのが一般的ではないでしょうか。

また、部位を考慮すると「脂漏性皮膚炎」に準じた治療として、日常生活を見直してみるのも良いかも知れません。

以下のブログも参考にしてください。

「ステロイド外用薬の分類(ランク)」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=1139944
「脂漏性皮膚炎の治療」
http://blog.sumiyoshi-clinic.com/?eid=698752
| 院長 | 2016/05/14 5:16 PM |
住吉先生

お忙しい中、ご返信をいただきありがとうございます。
申し遅れましたが私は女性で短髪ではないため、やはりステロイドローションでの治療が基本となることが分かりました。メサデルムを使うこと自体にも多少不安があったのですが、頭皮にはメサデルムよりもっと強いステロイド剤も使える可能性もあると伺い、その点安心しました。脂漏性皮膚炎についてのお話も参考にして、少し気長に治療に取り組むと同時に、良い状態を保てるように工夫してみよう思います。大変ありがとうございました。

あり
| あり | 2016/05/14 10:51 PM |
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