2011.10.28 Friday
接触皮膚炎(かぶれ)
「接触皮膚炎(せっしょく ひふえん)」とは、皮膚の表面に接触してきた刺激物質などによって生じる皮膚炎のことであり、いわゆる「かぶれ」のことです。
接触皮膚炎は、大きく「刺激性皮膚炎」と「アレルギー性接触皮膚炎」に分類されています。
ただし、単に「接触皮膚炎」と言った場合には、アレルギー性接触皮膚炎を示していることが多いようです。
刺激性皮膚炎とは、強力な刺激物質との接触による直接的な皮膚のダメージであり、アレルギー反応は関係していません。
強い酸(硫酸など)やアルカリ(水酸化ナトリウムなど)によるヤケド(化学熱傷)と同じ病態であるため、痒みよりも痛みを感じることが多くなります。
一方のアレルギー性接触皮膚炎とは、接触によるアレルギー反応によって皮膚炎を生じるものであり、強い痒みを伴うことが多くなります。
皮膚内に侵入したことのある物質(抗原)が異物として記憶されると、再び同じ異物が皮膚内に侵入した時に素早く炎症を起こして、その異物を除去しようと反応します。
これがアレルギー性接触皮膚炎の基本的なメカニズムです。
アレルギー性接触皮膚炎の原因(抗原)には様々なものがあり、年々その種類が増えていると言われています。
古くから知られているものには、ウルシやサクラソウなどの植物、ニッケルやクロムなどの金属、化粧品類に含まれるパラベンなどの防腐剤、ゴム手袋などに含まれるラテックスなどがあります。
最近では、デスクマットなどの抗菌加工が施された家庭用品で接触皮膚炎を生じる例が増えています。
特に汗をかいた状態などでは注意が必要です。
また、ドラッグストアなどで市販されている塗り薬(OTC医薬品)には、抗生剤や抗真菌薬、消炎鎮痛薬、消毒薬といった複数の成分を含有しているものが数多くみられます。
これらを安易に使用すると、接触皮膚炎を生じる可能性がありますので、十分に注意するようにしてください。