2009.12.18 Friday
帯状疱疹の治療と入浴
「帯状疱疹」とは、神経節に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが、その神経に沿って広がって発症するため、体の片側にだけに紅斑や水疱、疼痛が出現します。
帯状疱疹に伴う痛みは神経の炎症によるものです。
通常は、水疱や紅斑などの皮膚症状が治まってくると痛みも軽減してきます。
ところが、神経の損傷が強いと、皮膚の症状が治まってからもピリピリとした痛みが継続する場合があり、これを「帯状疱疹後神経痛」と言います。
帯状疱疹の場合、できるだけ早く抗ヘルペスウイルス薬による治療を開始し、ウイルスの増殖を抑制することが重要です。
早期治療によって、帯状疱疹後神経痛などを予防できる可能性もあります。
帯状疱疹による痛みは、消炎鎮痛薬などで治療しますが、冷えると神経痛が悪化してしまいます。
逆に、できるだけ病変部を温めて血行を良くすれば、神経痛が和らぎやすいと考えられます。
ただし、強い帯状疱疹後神経痛が残るような場合には、早めにペインクリニックなどで神経ブロックのような専門的な治療を受ける必要があります。
「お風呂には入らないようにしていました」という帯状疱疹の患者さんもいらっしゃいますが、シャワーだけで済ますよりも、しっかり浴槽に入って温まった方が痛みは楽になるはずです。
石鹸を使用して構いませんが、強く擦って傷を付けないように注意してください。
入浴後は、清潔なタオルで軽く押さえるように水分を拭き取ります。
塗り薬を処方されている場合には、入浴後に塗るのが良いでしょう。
上の写真は、沖縄県・残波岬で撮影したものです。
(撮影:住吉孝二)