CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
ステロイド外用薬の分類

ステロイド外用薬とは、副腎皮質から分泌されるホルモンに類似した薬剤を人工的に作り出したものです。

成分に違いによって薬の強さが異なるため、以下のような5段階に分類されています。



強さの異なるステロイド外用薬を使い分けるには、いくつかの理由があります。

まず、皮膚病変の状態や重症度による違いです。

例えば、かぶれ接触皮膚炎)などで急激に強い炎症反応が生じている場合には、短期間に強力なステロイド外用薬を使用するのが効果的です。
また、慢性化して皮膚が肥厚した湿疹(苔癬化)や痒疹などでは、強力なステロイド外用薬を長期間使用する必要があります。

次に、部位による吸収率の違いという点です。

顔の皮膚では、体の皮膚に比べて10倍もステロイド外用薬の吸収率が高いと考えられています。
そのため、一般に顔に塗っても良いとされているステロイド外用薬は、4群ミディアムあるいはマイルド)までの弱いものだけです。

逆に、ステロイド外用薬の吸収率が悪い部位には、手の平(手掌)や足の裏(足底)があります。
手掌足底には外用薬が浸透しやすい毛孔が全く無く、さらに角質が非常に厚いため、顔の皮膚に比べて50倍〜100倍も吸収率が低いと言われています。

年齢によっても吸収率が異なり、小児乳幼児では、外用薬の吸収率が非常に高いと言われています。
また、高齢者でも皮膚が薄くなっているために、外用薬の吸収率が高くなっていると考えられます。

ステロイド外用薬には60年以上の使用経験があり、効果副作用も十分に分かっているため、他の外用薬に比べると安心して使用できる薬剤です。

しかし、ステロイド外用薬不適切に使用していると、様々な副作用皮膚が薄くなる、毛深くなる、マラセチア毛包炎体部白癬などの感染症ステロイド潮紅酒さ様皮膚炎など)を生じてしまう可能性があるため、強さを使い分ける必要があります。

具体的なステロイド外用薬には、以下のものがあります。

1群:ストロンゲスト(strongest)
デルモベート(マイアロン、デルトピカ、ソルベガ、マハディ、クロベタゾールプロピオン酸エステル)、ジフラールダイアコート、アナミドール、ジフロラゾン酢酸エステル)など

2群:ベリーストロング(very strong)
フルメタ(マイセラ、フランカルボン酸モメタゾン)、マイザー(スチブロン、ジフルプレドナート)、リンデロンDP(デルモゾールDP、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)、ネリゾナテクスメテン)、トプシム(シマロン、フルオシノニド)、アンテベート(アンフラベート、サレックス、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)、パンデル(イトロン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン)など

3群:ストロング(strong)
メサデルム(メインベート)、リンデロンVベトネベート、デルモゾール、ベクトミラン、ベタメタゾン吉草酸エステル)、ベクラシンボアラザルックス)、フルコート(フルオシノロンアセトニド)、エクラー(アロミドン)など

4群:ミディアム(medium)、マイルド(mild)
リドメックス(スピラゾン、ユーメトン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、アルメタ(ビトラ、タルメア)、レダコートトリシノロン)、ロコイドキンダベート(パルデス、キンダロン、クロベタゾン酪酸エステル)、デキサメサゾンオイラゾン、デキサメタゾン、グリメサゾン)など

5群:ウィーク(weak)
プレドニゾロンクロマイP(ハイセチンP)など

これらの薬剤は全て異なる成分であるため、それぞれ作用の強さも異なります

皮膚科専門医は、この5段階に分類された薬剤をさらに細かく分類しながら治療に使用しています。
ですから、実際の症状を診察している皮膚科専門医の指示に従い、あまり自己判断をしないようにしましょう。

JUGEMテーマ:健康

| 院長ブログ | 16:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ネイリン登場に伴う爪白癬内服治療の比較(2018年)



爪白癬を放置しておくと、足白癬を繰り返す原因になったり、同居人に感染を拡大してしまう原因となるため、抗真菌薬で治療を行う必要があります。

抗真菌薬の飲み薬は、爪の内部に薬剤が留まって効果を発揮するため、塗り薬による治療に比べて有効性が高くなります。

爪白癬内服療法には、「パルス療法」と「連日内服療法」の2種類の治療法があります。

いずれも効果的な治療法ですが、薬剤負担額が異なるなど、それぞれに利点・欠点があります。


パルス療法」とは、イトラコナゾールで保険適応になっている治療方法です。

イトリゾールカプセルを1日8カプセルで1週間服用し、その後3週間休薬するというサイクルを3回繰り返します。

つまり、服薬期間は2ヵ月強(服薬日数は3週間)という短期間で済みます。

パルス療法は効果的な治療法ですが、他の飲み薬(高血圧治療薬、高脂血症治療薬など)との飲み合わせによっては服用できない場合があります。

また、イトリゾールカプセル(先発品)は薬価が高いため、3ヵ月間の総薬剤費3割負担で15,906円(1ヵ月あたり5,302円)かかってしまいます。(2018年8月現在)


一方、「連日内服療法」とは、テルビナフィンで保険適応になっている治療方法でしたが、先月末(2018年7月27日)からネイリン(ホスラブコナゾール)という新薬も保険適応に追加されました。


テルビナフィンによる治療の場合は、ラミシール錠等を1日1錠ずつ毎日服用します。

症状にもよりますが、通常は6ヵ月継続して服用する必要があります。

また、治療開始から1ヵ月後〜2ヵ月後に肝機能障害などの副作用が出現することが多いため、内服開始前内服1ヵ月後内服2ヵ月後血液検査を行う必要があります。

ただし、ネドリール錠ラミシール錠後発医薬品)であれば比較的安価であるため、6ヵ月間服用しても総薬剤費3割負担で4,974円(1ヵ月あたり829円)で済みます。(2018年8月現在)


そして、非常に有効率が高い新薬として登場したネイリン(ホスラブコナゾール)カプセルも1日1カプセルずつ毎日服用する薬剤です。

ホスラブコナゾールでは重篤な肝障害がみられず薬物相互作用を示す可能性も低いと考えられているため、既存のイトラコナゾールやテルビナフィンによる治療よりも安心して服用できそうです。

さらに、服用期間が12週間(3ヵ月弱)と短い点も特徴です。

逆に欠点を挙げるとすれば、投薬期間の制限と薬価の高さでしょう。

ネイリンは新薬であるため、後発品(ジェネリック医薬品)は存在せず、しばらくは14日間という投薬制限も設けられています。

ちなみに、12週間の総薬剤費3割負担で20,276円(1ヵ月あたり6,759円)になります。(2018年8月現在)


当クリニックでは、上の写真のような比較表を用いて患者さんに分かりやすく説明しています。

JUGEMテーマ:健康

| 院長ブログ | 10:23 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
「コメド」って何?

ニキビ尋常性ざ瘡)のケアをしていく中で、コメドcomedo)という言葉を耳にする機会が増えてきました。

この「コメド」とは、一体何なのでしょうか?

コメドは「面皰(めんぽう)」とも呼ばれており、毛孔が皮脂や古い角質によって閉塞された状態を意味しています。

いわゆる「白ニキビ」とか「黒ニキビ」と言われているのも、同じコメドのことです。

そこへ炎症が加わり、いわゆる「赤ニキビ」の状態に至ると、誰もが「あっ、ニキビができた!」と自覚するようになります。

つまり「コメド」とは、ニキビの初期段階であると言えます。




皮膚科の保険診療で行われているニキビ治療は、ここ数年で大きく進歩しました。

従来は、悪化したニキビを治す治療が主流でしたが、近年になって、コメドの状態から再び悪化させない治療へと移行してきたのです。

つまり、ニキビができにくい肌にしていく治療が行われるようになってきており、そのためにはコメド対策が重要という訳です。

ニキビ痕を残さないようにするためにも、コメドの段階でしっかり治療できるようにしていきましょう。


JUGEMテーマ:健康

| 院長ブログ | 11:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
水虫と誤解されやすい汗疱(かんぽう)【読売家庭版掲載記事】

当クリニック(住吉皮膚科)での取材記事が、読売家庭版8月号(p18-19)に掲載されましたので、その一部を紹介いたします。


手の指の側面に
小さな水ぶくれができて痒みもあります。
ひょっとして水虫ですか?


その症状は「汗疱異汗性湿疹)」かも知れません。
実は、手の平や指に水疱(水ぶくれ)ができたといって受診される患者さんは、この汗疱であることが多いのです。

水虫は足の指の間など、特に蒸れる場所に発症しやすいのに対し、汗疱は手指の側面や手のひら、足の裏全体など、広い範囲に広がります。

初めは小さな水疱ができる程度で、そのまま自然治癒することもあります。
しかし、進行するとかゆみを伴い、水疱が大きくなったり、皮がむけてきたりします。
さらに、かき壊してしまうと、完治まで時間がかかることもあります。
ただし、水虫のように菌によるものではなく、人に感染するものではありません。


汗疱の原因はなんですか?

汗を多くかく時期や発汗の多い人によく見られることから、汗と何らかの関連があると考えられていますが、その原因やメカニズムははっきりと解明されていません。

<中略>

汗疱は手のひらや足の裏に多量の汗をかくことが引き金となり、湿疹ができます。
症状が出やすいのは、多汗症アトピー性皮膚炎の人。
また、金属や薬物に対するアレルギーがある場合、アレルゲンが汗で溶け出すことで汗疱を引き起こすこともあります。




どのような検査、治療をするのですか?

汗疱の症状は水虫とよく似ているため、まず水虫の原因の白癬菌(はくせんきん)がいないかどうか検査します。
併発していることもあるため、足ならば指の間と裏など、複数箇所の検査が必要です。
また、金属アレルギーの検査もします。
皮膚接触ではアレルギー症状が出ない場合でも、歯科金属や食べ物に含まれる金属によって、汗疱を起こすことがあるからです。
その場合には、原因となっている金属を取り除くことで症状が改善する可能性があります。

また、多汗症を伴う場合には多汗症の治療、緊張すると汗をかいてしまうという人には自律神経を整える薬を処方するなど、それぞれの原因に合わせた治療を行います。

とはいえ、原因がはっきりわかる患者さんの方が少ないのが現状ですから、多くは対症療法になります。

<中略>


普段の生活で気をつけることは?

メカニズムがはっきりしていないこともあり、残念ながら、これをすれば発症を抑えられるという方法はわかっていないのが現状です。

<中略>

汗疱はその見た目から水虫と勘違いしやすく、「水虫だと思って市販薬を使っていたが、全然よくならない」と病院を訪れる患者さんが少なくありません。
効果がないだけならまだしも、市販薬に含まれる防腐剤や香料でかぶれ、かえって症状が悪化してしまうこともあるのです。
こうなると、当然治療も長引きますし、元々の原因も判断しづらくなってしまいます。
違和感を覚えたら自己判断せず、早めに病院にかかりましょう。



JUGEMテーマ:健康

| 院長ブログ | 17:41 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ニキビ治療(過酸化ベンゾイル)による衣服の色落ち

近年、保険診療で行うことができるニキビ治療の選択肢が増え、過酸化ベンゾイル(BPO)による外用治療がスタンダードになってきました。

尋常性ざ瘡治療ガイドライン(2016年)にも、十分なエビデンス(根拠)があり、強く推奨されているニキビの治療として、過酸化ベンゾイル外用が挙げられています。

ニキビ治療に使用されている過酸化ベンゾイルには、2.5%の「ベピオゲル」と、アダパレンとの合剤である「エピデュオゲル」、3%でクリンダマイシンとの合剤である「デュアック配合ゲル」の3種類があります。






アダパレン(ディフェリンゲル)が顔面専用に用いられているのに対し、過酸化ベンゾイルは背中などに使用されることがあると思います。

しかし、過酸化ベンゾイルは、色の濃い衣服に付着すると脱色(変色)してしまう場合があります。

初めて過酸化ベンゾイルを使用される患者さんには、内容を説明しながらお渡ししている小冊子がありますが、この中にも必ず漂白作用の注意が記載されています。

上の写真は、ベピオゲルを背中や胸元に使用していた患者さんのTシャツです。

もともとは濃いグレーでしたが、ベピオゲルを塗った皮膚と接触していた部分が赤茶色く脱色してしまいました。

これから暑くなり汗をかきやすい時期になりますので、背中のニキビ(毛包炎)に過酸化ベンゾイルを使用している方は、十分にご注意ください。


小冊子「ベピオゲル2.5%を使用される方へ」より引用


JUGEMテーマ:健康

| 院長ブログ | 16:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
| 1/54PAGES | >>