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水虫と誤解されやすい汗疱(かんぽう)【読売家庭版掲載記事】

当クリニック(住吉皮膚科)での取材記事が、読売家庭版8月号(p18-19)に掲載されましたので、その一部を紹介いたします。


手の指の側面に
小さな水ぶくれができて痒みもあります。
ひょっとして水虫ですか?


その症状は「汗疱異汗性湿疹)」かも知れません。
実は、手の平や指に水疱(水ぶくれ)ができたといって受診される患者さんは、この汗疱であることが多いのです。

水虫は足の指の間など、特に蒸れる場所に発症しやすいのに対し、汗疱は手指の側面や手のひら、足の裏全体など、広い範囲に広がります。

初めは小さな水疱ができる程度で、そのまま自然治癒することもあります。
しかし、進行するとかゆみを伴い、水疱が大きくなったり、皮がむけてきたりします。
さらに、かき壊してしまうと、完治まで時間がかかることもあります。
ただし、水虫のように菌によるものではなく、人に感染するものではありません。


汗疱の原因はなんですか?

汗を多くかく時期や発汗の多い人によく見られることから、汗と何らかの関連があると考えられていますが、その原因やメカニズムははっきりと解明されていません。

<中略>

汗疱は手のひらや足の裏に多量の汗をかくことが引き金となり、湿疹ができます。
症状が出やすいのは、多汗症アトピー性皮膚炎の人。
また、金属や薬物に対するアレルギーがある場合、アレルゲンが汗で溶け出すことで汗疱を引き起こすこともあります。




どのような検査、治療をするのですか?

汗疱の症状は水虫とよく似ているため、まず水虫の原因の白癬菌(はくせんきん)がいないかどうか検査します。
併発していることもあるため、足ならば指の間と裏など、複数箇所の検査が必要です。
また、金属アレルギーの検査もします。
皮膚接触ではアレルギー症状が出ない場合でも、歯科金属や食べ物に含まれる金属によって、汗疱を起こすことがあるからです。
その場合には、原因となっている金属を取り除くことで症状が改善する可能性があります。

また、多汗症を伴う場合には多汗症の治療、緊張すると汗をかいてしまうという人には自律神経を整える薬を処方するなど、それぞれの原因に合わせた治療を行います。

とはいえ、原因がはっきりわかる患者さんの方が少ないのが現状ですから、多くは対症療法になります。

<中略>


普段の生活で気をつけることは?

メカニズムがはっきりしていないこともあり、残念ながら、これをすれば発症を抑えられるという方法はわかっていないのが現状です。

<中略>

汗疱はその見た目から水虫と勘違いしやすく、「水虫だと思って市販薬を使っていたが、全然よくならない」と病院を訪れる患者さんが少なくありません。
効果がないだけならまだしも、市販薬に含まれる防腐剤や香料でかぶれ、かえって症状が悪化してしまうこともあるのです。
こうなると、当然治療も長引きますし、元々の原因も判断しづらくなってしまいます。
違和感を覚えたら自己判断せず、早めに病院にかかりましょう。



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| 院長ブログ | 17:41 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ニキビ治療(過酸化ベンゾイル)による衣服の色落ち

近年、保険診療で行うことができるニキビ治療の選択肢が増え、過酸化ベンゾイル(BPO)による外用治療がスタンダードになってきました。

尋常性ざ瘡治療ガイドライン(2016年)にも、十分なエビデンス(根拠)があり、強く推奨されているニキビの治療として、過酸化ベンゾイル外用が挙げられています。

ニキビ治療に使用されている過酸化ベンゾイルには、2.5%の「ベピオゲル」と、アダパレンとの合剤である「エピデュオゲル」、3%でクリンダマイシンとの合剤である「デュアック配合ゲル」の3種類があります。






アダパレン(ディフェリンゲル)が顔面専用に用いられているのに対し、過酸化ベンゾイルは背中などに使用されることがあると思います。

しかし、過酸化ベンゾイルは、色の濃い衣服に付着すると脱色(変色)してしまう場合があります。

初めて過酸化ベンゾイルを使用される患者さんには、内容を説明しながらお渡ししている小冊子がありますが、この中にも必ず漂白作用の注意が記載されています。

上の写真は、ベピオゲルを背中や胸元に使用していた患者さんのTシャツです。

もともとは濃いグレーでしたが、ベピオゲルを塗った皮膚と接触していた部分が赤茶色く脱色してしまいました。

これから暑くなり汗をかきやすい時期になりますので、背中のニキビ(毛包炎)に過酸化ベンゾイルを使用している方は、十分にご注意ください。


小冊子「ベピオゲル2.5%を使用される方へ」より引用


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| 院長ブログ | 16:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ウオノメ(鶏眼)とタコ(胼胝)の違い

足に合わない靴を長時間履いていたりすると、ウオノメタコを生じてしまいます。

これは、圧力刺激から皮膚を保護しようとして起こる角質増殖反応です。

また、加齢とともに足底の皮下脂肪が萎縮することでクッション性が低下したり、外反母趾のような足趾の変形を生じることも、ウオノメタコを生じたり悪化させたりする誘因となります。


皮膚科的な病名としては、ウオノメを「鶏眼(けいがん)」、タコを「胼胝(べんち)」と呼んでいます。


タコ胼胝)は、皮膚の内側よりも外側に向かって角質増殖が進みます。



そのため、上から押されて強い痛みを感じることは無く、横からつまんで圧迫した時に多少の痛みを感じる程度です。

主に体重のかかる足の裏に生じますが、筆記具による「ペンだこ」や正座による「座りだこ」などもあります。


胼胝の治療は、皮膚の外側に向かって増殖した角質を削り取ることです。

当クリニックでは、下の写真のような道具を用いて、厚くなった角質を削り取る処置を行っています。





一方、ウオノメ鶏眼)は、角質増殖皮膚の内側に向かって進んでいる状態です。



主に足の裏に生じ、硬い角質が皮膚の内側に突き刺さるような状態になると、歩けない程の痛みを自覚するようになります。

この場合は、鶏眼の芯の部分を取ってしまわないと痛みは無くなりません。

当クリニックでは、下の写真のようなメスを用いて、鶏眼の芯の部分をくり抜く処置を行っています。





ウオノメ鶏眼)やタコ胼胝)を治療していくには、このような処置だけでなく予防も必要になります。

痛みを取り除くために、肥厚した角質を除去する訳ですが、再発の予防を怠ってしまうと、鶏眼胼胝は必ず再発してしまうからです。


再発を予防するためには、原因となっている外的刺激を避ける工夫が必要になります。

例えば、などは自分の足に合ったものを選ぶ必要があります。

足の片側にだけ鶏眼胼胝を生じている人は、歩き方や体重のかかり方に左右差があるのかも知れません。


また、ドラッグストアや雑貨店では、様々な種類のフットケア製品を販売していますので、ウオノメ保護パッドジェル・クッションなどのケア製品を使用するのも、外的刺激を避けるために有効です。

どのような再発予防が適切であるか、受診している医療機関の担当医(皮膚科専門医など)とよく相談するようにしてください。


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| 院長ブログ | 11:51 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
妊娠中や授乳中に痒み止め(抗ヒスタミン薬)は飲んで良い?


アトピー性皮膚炎慢性蕁麻疹(まんせい じんましん)などの皮膚疾患で、痒み止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)を内服している方はたくさんいると思います。

抗ヒスタミン薬の副作用で、最も多いのは「眠気」とされています。
しかし、近年では副作用の少ない非鎮静性の抗ヒスタミン薬が増えてきました。

それでも、妊娠中には内服を躊躇(ちゅうちょ)してしまうことが多いでしょう。
一般に、内服薬による催奇形性(胎児に奇形を生じる危険性)で最も注意が必要なのは、妊娠4週〜12週末までと言われているからです。

実際に「妊娠が発覚したので飲み薬は中止しました」と言って来院される方は多くいらっしゃいます。

もちろん症状が悪化しないのであれば、無理に薬を飲む必要は無いのですが、慢性蕁麻疹のように治療の中心が抗ヒスタミン薬である場合には、なかなか止めるのが難しいと思われます。

妊娠中に抗ヒスタミン薬を服用した場合の催奇形性を調査するのは困難なのですが、欧米では妊娠中に抗ヒスタミン薬を服用することが多く、催奇形性のリスクは否定されています。

副作用の少ない第2世代抗ヒスタミン薬の中でも、特にジルテック(セチリジン塩酸塩)とクラリチン(ロラタジン)は、疫学調査において先天異常との関連が無いとされているため、妊娠中比較的安心して内服できると言えます。


一方、授乳中母乳中への薬物の移行が問題となります。

古くからある第1世代の抗ヒスタミン薬は、乳児の血液脳関門を通過して脳に達してしまうため、安全性の確認ができていません。
そのため、授乳中は第2世代の抗ヒスタミン薬を選択した方が良いと言えるでしょう。

また、ザイザルやザジテンのように生後6ヶ月の乳児から保険適応になっている第2世代の抗ヒスタミン薬もありますので、乳児の成長に従って母乳中への薬物移行の問題は少なくなってくるはずです。


実際に妊娠中や授乳中に抗ヒスタミン薬を内服する場合は、現在通院している皮膚科や婦人科の担当医とよく相談して決めるようにしてください。


上の写真は、東京ディズニーランドで撮影したものです。
(撮影:住吉孝二)


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| 院長ブログ | 16:03 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
暖房器具、低温やけど注意(日本経済新聞掲載記事)

住吉皮膚科で受けた取材記事が、先日(2月4日)の日本経済新聞に掲載されましたので、その一部を紹介いたします。


暖房器具、低温やけど注意

 まだまだ寒さが続くこの時期、外出時に使い捨てカイロを用意したり、就寝時に湯たんぽや電気あんかなどを使ったりしたくなる。その際、注意したいのが「低温やけど」。心地よい程度の比較的低温でも、同じ場所を長時間温め続けると、皮膚に水ぶくれができたり、やけどのような状態になったりする。どんなことに注意すれば防げるのだろう。

皮膚を深く損傷 治癒に時間

 住吉皮膚科(東京・墨田区)の住吉孝二院長は「東日本大震災時に、どこでも使えて環境にやさしい暖房器具として湯たんぽが注目された。使う人が増えるとともに低温やけどで受診する患者も増えた」と話す。

 低温やけどは、比較的低い温度の暖房器具などに長時間接触していると起こる。これまでの研究でセ氏44度なら3〜4時間、46度では30分〜1時間、50度では2、3分間接触していると、発症する可能性があることが分かっている。

 低温やけどを起こしやすい体の部位があることもわかってきた。足のくるぶしやスネ、額など、触ると骨が感じられる皮膚の薄いところだ。「こうした場所は暖房器具が皮膚を圧迫したとき血流が悪くなる」(住吉院長)と話す。皮膚に加わった熱は血液の流れで拡散するが、血管が圧迫されると熱がこもり、低温やけどを起こしやすくなるわけだ。

<中略>

 一方、低温やけどは痛みなどをあまり感じないまま熱が加わり続けるため、皮膚の深い部分まで損傷しがちだ。やけどの重症度は損傷の深さに応じ1度〜3度に分類されるが、低温やけどは2度、3度が多いという。

湯たんぽやカイロ 直接・長時間は禁物

 では、低温やけどはどうすれば防げるか。基本は暖房器具を体に直接当てたり、長時間あたったりしないこと。湯たんぽなどは専用の袋に入れるか、タオルなどで包む。さらに脇や足の間に挟む使い方は避ける。

 特に危険なのは、暖房器具に触れたまま眠ること。湯たんぽなら、あらかじめ布団に入れておき、眠る前に外に出す。電気あんか、電気毛布も布団を温めるのに用い、電源は眠る前に切ろう。暖房器具の「使用上の注意」に記されている。

 暖房器具を高齢者や子どもが使う際、家族らが気を配ることも大切。糖尿病などによる神経障害があると皮膚感覚が低下している場合がある。電気あんかなどを使う前に医師に相談しよう。

<中略>
 
 冬を暖かく過ごすには、使い捨てカイロなどが欠かせないが、くれぐれも注意して使いたい。

| 院長ブログ | 12:22 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
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