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「いぼ」って何?



いぼ」と言えば、皮膚の表面に生じた突起物をイメージすると思います。

皮膚科的には、これらの「いぼ」のことを「疣贅(ゆうぜい)」と呼んでいます。

実際には具体的な病名がたくさんありますが、大きく分けると「ウイルス性の疣贅」と「加齢に伴う疣贅」に分類されます。


<ウイルス性疣贅>

ウイルス性疣贅」の大部分は、パピローマウイルス(HPV)の感染によって生じます。
その中で、最も一般的な疣贅は「尋常性疣贅(じんじょうせい ゆうぜい)」です。
典型的な尋常性疣贅は、表面がザラザラとした小結節で、疣贅の表面近くまで入り込んだ血管が黒い点々として見える場合があります。
足の裏手の指先などに生じることが多く、小児ではウオノメができたと勘違いするケースが非常に多く見受けられます。


扁平疣贅(へんぺい ゆうぜい)」あるいは「青年性疣贅(せいねんせい ゆうぜい)」も、パピローマウイルスの感染によって生じます。
成人から手の甲にかけて、隆起の少ない小さな疣贅が多発します。


尖圭コンジローマ(せんけい こんじろーま)」もパピローマウイルスの感染ですが、通常は性感染症の一種として生じます。
外陰部肛門周囲に、丘疹状の疣贅が多発し、徐々にカリフラワー状に拡大する場合もあります。


パピローマウイルス以外のウイルス性疣贅には、「伝染性軟属腫(でんせんせい なんぞくしゅ)」があります。
いわゆる「みずいぼ」のことです。
ほとんどが小児に生じますが、アトピー性皮膚炎などで乾燥肌があると、肘の内側膝の裏にも生じやすくなります。
プールの水で感染することはありませんが、肌が接触することによって感染する可能性があるため、プール管理者の指示によって治療をすすめられる場合があります。
特に指示が無ければ放置しても構いませんが、治るまでに半年から数年かかります。
典型的な新しい伝染性軟属腫は、1〜3mm程度で表面に光沢があり、半球状の白い疣贅の中央に凹みがあります。
このような新しい疣贅が増えている場合には、早めに治療を受ける方が良いでしょう。


<加齢に伴う疣贅>

一方、ウイルス感染と関係のない疣贅には「軟性線維腫(なんせい せんいしゅ)」があります。
正常な皮膚と同じ色の、有茎性でとても柔らかい疣贅です。
小さなものは、首周り腋の下に増えてきて気付くことが多いようです。


同じく、加齢とともに増えてくる「老人性疣贅(ろうじんせい ゆうぜい)」もウイルス感染とは関係がありません。
20歳くらいから生じる場合もあるため、老人性疣贅という病名は必ずしも適切ではなく、皮膚科的には「脂漏性角化症(しろうせい かくかしょう)」という病名を用いています。
褐色調の結節として生じていることが多く、痒みを自覚する場合もあります。


<治療>

以上のように様々な種類の疣贅がありますが、どれも保険診療で治療を行うことが可能です。

しかし、ウイルス性疣贅に対しては特効薬というものが存在しないため、様々な治療が行われています。

多くの疣贅では、液体窒素(−196℃)を用いた冷凍凝固法が行われていますが、外科的な切除摘除塗り薬での治療、ヨクイニン内服など、疣贅の種類や症状に応じて治療法が選択されます。


上の写真は、徳島県・鳴門海峡で撮影した渦潮の様子です。
(撮影:住吉孝二)


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| 院長ブログ | 18:28 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
繰り返すヘルペスに新しい治療(PIT)



ヘルペスは、ウイルス感染により発症する病気です。

同じウイルス感染の風邪と比べると感染力はかなり強く、一度でも感染すると体の内部に入り込み、何度も繰り返して発症する特徴を持っています。

ヘルペスウイルスの種類により発症する場所も異なり、唇や口のまわりに発症している場合は、口唇ヘルペスと診断されます。

疲れていたり、体の抵抗力が弱くなっていると、神経に潜んでいるウイルスが活動し始めることで症状が再発してしまいます。

口唇やその周辺にピリピリ、ムズムズといった違和感が出てきたら、ウイルスが活動しているサインです。


ヘルペスの治療は、飲み薬を使用するのが一般的です。

飲み薬抗ウイルス薬)は、神経でのウイルスの活動を抑える働きがあります。

そのため、違和感が出てきた早い段階で飲み薬の治療を始めると、症状の出現を抑制することができる訳です。


従来の治療薬は、ヘルペスの症状が出てからでないと薬の処方ができませんでした。

しかし今年から、あらかじめ処方された薬剤を初期症状に基づき患者さんの判断で服用開始する治療法PIT:Patient Initiated Therapy)が登場しました。


この治療法(PIT)は、年に3回以上再発している単純ヘルペス口唇ヘルペス性器ヘルペス)に対して、ヘルペスの初期症状に気づいてすぐに、飲み薬を1日だけ飲む1 day treatment)だけで終了します。

具体的には、あらかじめ処方されたファムビル錠4錠服用し、12時間後に再び4錠服用して終了です。

ただし、違和感が出てきた早い段階6時間以内で治療を開始する必要があるため、ヘルペスの初期症状(患部のムズムズ、ピリピリとした違和感)が判断できない患者さんには薬を処方することができません。


再発性ヘルペスでお悩みの方は、どの治療法が適切か、皮膚科専門医に相談してみてください。


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| 院長ブログ | 15:46 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
いぼ(尋常性疣贅)の治療期間は?



当院では、いぼ(尋常性疣贅)の治療として、液体窒素を用いた凍結療法を行っています。

「だいたい何回くらいで治りますか?」という質問を受けることがありますが、これは治療を始めてみないと分かりません。

尋常性疣贅ウイルス感染症であるため、治療中に増大あるいは拡大してしまう場合もあり、部位や大きさによっては剥がれにくい場合もあるからです。


そこで、最近当院を受診された尋常性疣贅の患者さん(100人以上)の治療経過を見直してみました。

今回集計したのは、手の指先あるいは足の裏に生じた尋常性疣贅のみです。

治療方法は、液体窒素(−196℃)を用いた冷凍凝固法で、1〜2週間ごとに通院していただいています。

治療開始から治癒に至るまでの期間は、以下のような結果でした。

1ヶ月以内:10%
2ヶ月以内:54%
3ヶ月以内:73%
     :
6ヶ月以内:83%
     :
     :
12ヶ月以内:96%



液体窒素による治療開始から2ヶ月以内半数以上の患者さんが治癒に至っており、3ヶ月以内7割以上の患者さんが治癒していることが分かります。

その後は徐々に治癒率が低下しますが、96%は1年以内に治癒しています。

つまり、多くの患者さん2〜3ヶ月以内に治癒しますが、治癒に至るまで半年から1年近くかかる患者さんもおり、少数ですが1年以上の治療期間を要する患者さんもいらっしゃるというのが実状です。


また、必ず治ると信じて、前向きに治療に取り組むことも大切です。

なかなか治らないと悲しんでいるよりも、笑顔で過ごした方がウイルスに対する免疫細胞が活性化されることが、医学的にも証明されているからです。


上の写真は、岐阜県で撮影したギフチョウです。
(撮影:住吉孝二)


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| 院長ブログ | 11:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
低温やけどについて知りたい【ゆたか冬号掲載記事】

の執筆記事が、年金と暮らしの快適情報誌ゆたか冬号(p13)に掲載されましたので、その内容を紹介いたします。



《季節のやまい診察室》

(相談)低温やけどについて知りたい

 冬に高齢者のやけどが多いと聞きました。
 どういったことに注意すればよいですか?(77歳・女性)


(回答)熱くない温度でも低温やけどに注意

 住吉皮膚科(東京都)院長・順天堂大学皮膚科非常勤講師 住吉 孝二

やけどは、熱いと感じてすぐに冷やすことができれば、軽い症状ですみます。
しかし、接触する熱源の温度が高い、あるいはそれほど高くなくても接触している時間が長いと、皮膚の内部にまで熱のダメージが伝わるため、赤くなったり、水ぶくれになったりします。
高齢者では、熱さを感じる感覚が鈍くなり、皮膚も薄くなるため、熱が内部にまで伝わりやすく、注意が必要です。

「低温やけど」とは、心地よいと感じる44〜50度程度の温度のものに、肌が長時間接触していたためにおこるやけどです。
省エネ志向で湯たんぽの使用がふえてきたことなどから、低温やけどが注目されるようになりました。
低温やけどは、皮膚の表面が赤い程度でひどく見えなくても、長時間熱源に接していたために、内部深くまで大きなダメージを負い、重症になっている場合があります。
皮膚の表面から入った熱は通常、血液の循環で全身に分散されます。
しかし、皮膚が熱源に圧迫されて血流が悪くなり、熱の逃げ場が少ないとやけどになります。
そのため、低温やけどをおこしやすいのは、皮膚のすぐ下に骨があって、熱の逃げ場が少ない、脚のすねや足首などです。



昔ながらの金属製の湯たんぽは、タオルで巻かないと熱くて触れませんでした。
しかし、最近のプラスチック製の湯たんぽは、表面がそれほど熱くなりません。
うっかり長い時間肌に直接触れてしまうと、低温やけどの原因になってしまいます。
湯たんぽは、専用の袋に入れるかタオルなどを巻いて、当てる位置を変えながら使用してください。
寝るときの寒さ対策では、事前に湯たんぽを布団に入れて温め、就寝中は肌に接触しない場所に移動させておくと安心です。

使い捨てカイロも注意が必要です。
背中や腰など皮下脂肪が少ない場所に長い時間当てていると、やけどをおこす場合があります。
貼るタイプのカイロは衣類の上から貼り、上から圧迫しないように注意してください。

湯たんぽ、カイロなどの使い方
長時間、同じ部位に触れないようにする。
湯たんぽは専用袋かタオルなどで包む。
貼るカイロは衣類の上に貼り、圧迫しない。
電気あんか・毛布は寝る前に電源を切る。


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| 院長ブログ | 17:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ステロイド外用薬の分類

ステロイド外用薬とは、副腎皮質から分泌されるホルモンに類似した薬剤を人工的に作り出したものです。

成分に違いによって薬の強さが異なるため、以下のような5段階に分類されています。



強さの異なるステロイド外用薬を使い分けるには、いくつかの理由があります。

まず、皮膚病変の状態や重症度による違いです。

例えば、かぶれ接触皮膚炎)などで急激に強い炎症反応が生じている場合には、短期間に強力なステロイド外用薬を使用するのが効果的です。
また、慢性化して皮膚が肥厚した湿疹(苔癬化)や痒疹などでは、強力なステロイド外用薬を長期間使用する必要があります。

次に、部位による吸収率の違いという点です。

顔の皮膚では、体の皮膚に比べて10倍もステロイド外用薬の吸収率が高いと考えられています。
そのため、一般に顔に塗っても良いとされているステロイド外用薬は、4群ミディアムあるいはマイルド)までの弱いものだけです。

逆に、ステロイド外用薬の吸収率が悪い部位には、手の平(手掌)や足の裏(足底)があります。
手掌足底には外用薬が浸透しやすい毛孔が全く無く、さらに角質が非常に厚いため、顔の皮膚に比べて50倍〜100倍も吸収率が低いと言われています。

年齢によっても吸収率が異なり、小児乳幼児では、外用薬の吸収率が非常に高いと言われています。
また、高齢者でも皮膚が薄くなっているために、外用薬の吸収率が高くなっていると考えられます。

ステロイド外用薬には60年以上の使用経験があり、効果副作用も十分に分かっているため、他の外用薬に比べると安心して使用できる薬剤です。

しかし、ステロイド外用薬不適切に使用していると、様々な副作用皮膚が薄くなる、毛深くなる、マラセチア毛包炎体部白癬などの感染症ステロイド潮紅酒さ様皮膚炎など)を生じてしまう可能性があるため、強さを使い分ける必要があります。

具体的なステロイド外用薬には、以下のものがあります。

1群:ストロンゲスト(strongest)
デルモベート(マイアロン、デルトピカ、ソルベガ、マハディ、クロベタゾールプロピオン酸エステル)、ジフラールダイアコート、アナミドール、ジフロラゾン酢酸エステル)など

2群:ベリーストロング(very strong)
フルメタ(マイセラ、フランカルボン酸モメタゾン)、マイザー(スチブロン、ジフルプレドナート)、リンデロンDP(デルモゾールDP、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)、ネリゾナテクスメテン)、トプシム(シマロン、フルオシノニド)、アンテベート(アンフラベート、サレックス、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)、パンデル(イトロン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン)など

3群:ストロング(strong)
メサデルム(メインベート)、リンデロンVベトネベート、デルモゾール、ベクトミラン、ベタメタゾン吉草酸エステル)、ベクラシンボアラザルックス)、フルコート(フルオシノロンアセトニド)、エクラー(アロミドン)など

4群:ミディアム(medium)、マイルド(mild)
リドメックス(スピラゾン、ユーメトン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、アルメタ(ビトラ、タルメア)、レダコートトリシノロン)、ロコイドキンダベート(パルデス、キンダロン、クロベタゾン酪酸エステル)、デキサメサゾンオイラゾン、デキサメタゾン、グリメサゾン)など

5群:ウィーク(weak)
プレドニゾロンクロマイP(ハイセチンP)など

これらの薬剤は全て異なる成分であるため、それぞれ作用の強さも異なります

皮膚科専門医は、この5段階に分類された薬剤をさらに細かく分類しながら治療に使用しています。
ですから、実際の症状を診察している皮膚科専門医の指示に従い、あまり自己判断をしないようにしましょう。

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| 院長ブログ | 16:54 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
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