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女性型脱毛症(びまん性脱毛症)

女性型脱毛症」とは、頭頂部の比較的広い範囲の毛髪だけが、通常の太さの半分以下に細くなってしまう症状を特徴とし、思春期以降(主に更年期閉経後)の女性にみられる「びまん性脱毛症」です。

正常な頭髪の太さは直径0.06mm以上ありますが、女性型脱毛症では太さが直径0.03mm以下の毛髪になってしまいます。

そのため、抜け毛が気になるというよりも、髪のボリュームが減って分け目が目立つようになったことで気付くことも多いようです。

女性型脱毛症は男性ホルモンの影響が指摘されていますが、男性型脱毛症AGA)でみられるような前頭部のヘアラインの後退(額がM型に拡がる)といった症状は通常みられません。

生理的な現象と言えますが、外見上の印象に影響するため、様々な治療が試みられています。


2017年に発表された「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、女性型脱毛症において推奨度A(行うよう強く勧める)とされているのは、ミノキシジル外用のみです。

国内で発売されているミノキシジル外用は「リアップRiUP)」という商品名のものだけですが、2005年から女性用として「リアップ リジェンヌRiUP Regenne)」が発売されています。

ただし「リアップ リジェンヌ」は比較的高価な育毛剤であるため、より安価な「アデノゲン グレイシイアデノシン外用)」や「コラージュフルフル育毛ローション(エチニルエストラジオール外用)」などを選択肢に考えてみるのも良いかも知れません。

また、保険診療で処方できる薬剤では、フロジン液塩化カルプロニウム)という外用薬があります。

カロヤン」という名称で市販もされている塩化カルプロニウムは、ミノキシジル外用ほどの効果は無いものの、保険診療の範囲内で皮膚科専門医の診察を受けながら治療を継続することができます。

一方、男性型脱毛症の治療に使用されているプロペシア(フィナステリド)やザガーロなどは、女性型脱毛症に対して十分な効果と安全性が確認されておらず、使用すべきではないとされています。

さらに、近年ではウィッグ(かつら)も進化しているため、男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインに取り上げられています。

ウィッグによって脱毛の症状が悪化することは無く、おしゃれ感覚で気軽に症状を隠すことができるため、QOL(生活の質)を上げるために有効です。


いずれの治療を選択するにしても、バランスの良い食事規則正しい生活といった生活習慣の改善も重要と考えられています。

十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜めない生活が送れるように工夫してみましょう。


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| 肌のあれこれ | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ルビースポット(ruby spots、senile angioma)

ルビースポットruby spots)」とは、加齢とともに皮膚に生じる小さな血管腫であり、古くから「老人性血管腫senile angioma)」と呼ばれているものです。

平坦または半球状に隆起した1〜4mm程度の小さな赤い腫瘍であり、通常は自覚症状がありません。

20歳前後になると体幹(特に上半身)や四肢に出現するようになりますが、手足には生じません。

senile angioma老人性血管腫)という病名は、100年以上前に付けられたものですが、若年者にも生じることから、海外では「cherry angioma(サクランボ血管腫)」という病名の方が良いと言われています。

もちろん、日本のサクランボの色という訳ではなく、アメリカンチェリーの色に似ているという意味でしょう。

また、口唇や耳に生じる血管腫は、静脈湖venous lake)とも呼ばれています。

ルビースポットは病的な血管の増殖ではなく、既存の毛細血管が加齢に伴って増殖および拡張しているだけであるため、特に治療の必要はありません

整容的な観点から治療を行う場合には、外科的切除の他に、凍結療法液体窒素療法)や電気焼灼術色素レーザーなどの処置を行います。

(※ 当院では、電気焼灼術や色素レーザーを行っておりません)

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| 肌のあれこれ | 16:40 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ステロイド外用薬の分類

ステロイド外用薬とは、副腎皮質から分泌されるホルモンに類似した薬剤を人工的に作り出したものです。

成分に違いによって薬の強さが異なるため、以下のような5段階に分類されています。



強さの異なるステロイド外用薬を使い分けるには、いくつかの理由があります。

まず、皮膚病変の状態や重症度による違いです。

例えば、かぶれ接触皮膚炎)などで急激に強い炎症反応が生じている場合には、短期間に強力なステロイド外用薬を使用するのが効果的です。
また、慢性化して皮膚が肥厚した湿疹(苔癬化)や痒疹などでは、強力なステロイド外用薬を長期間使用する必要があります。

次に、部位による吸収率の違いという点です。

顔の皮膚では、体の皮膚に比べて10倍もステロイド外用薬の吸収率が高いと考えられています。
そのため、一般に顔に塗っても良いとされているステロイド外用薬は、4群ミディアムあるいはマイルド)までの弱いものだけです。

逆に、ステロイド外用薬の吸収率が悪い部位には、手の平(手掌)や足の裏(足底)があります。
手掌足底には外用薬が浸透しやすい毛孔が全く無く、さらに角質が非常に厚いため、顔の皮膚に比べて50倍〜100倍も吸収率が低いと言われています。

年齢によっても吸収率が異なり、小児乳幼児では、外用薬の吸収率が非常に高いと言われています。
また、高齢者でも皮膚が薄くなっているために、外用薬の吸収率が高くなっていると考えられます。

ステロイド外用薬には60年以上の使用経験があり、効果副作用も十分に分かっているため、他の外用薬に比べると安心して使用できる薬剤です。

しかし、ステロイド外用薬不適切に使用していると、様々な副作用皮膚が薄くなる、毛深くなる、マラセチア毛包炎体部白癬などの感染症ステロイド潮紅酒さ様皮膚炎など)を生じてしまう可能性があるため、強さを使い分ける必要があります。

具体的なステロイド外用薬には、以下のものがあります。

1群:ストロンゲスト(strongest)
デルモベート(マイアロン、デルトピカ、ソルベガ、マハディ、クロベタゾールプロピオン酸エステル)、ジフラールダイアコート、アナミドール、ジフロラゾン酢酸エステル)など

2群:ベリーストロング(very strong)
フルメタ(マイセラ、フランカルボン酸モメタゾン)、マイザー(スチブロン、ジフルプレドナート)、リンデロンDP(デルモゾールDP、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)、ネリゾナテクスメテン)、トプシム(シマロン、フルオシノニド)、アンテベート(アンフラベート、サレックス、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)、パンデル(イトロン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン)など

3群:ストロング(strong)
メサデルム(メインベート)、リンデロンVベトネベート、デルモゾール、ベクトミラン、ベタメタゾン吉草酸エステル)、ベクラシンボアラザルックス)、フルコート(フルオシノロンアセトニド)、エクラー(アロミドン)など

4群:ミディアム(medium)、マイルド(mild)
リドメックス(スピラゾン、ユーメトン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、アルメタ(ビトラ、タルメア)、レダコートトリシノロン)、ロコイドキンダベート(パルデス、キンダロン、クロベタゾン酪酸エステル)、デキサメサゾンオイラゾン、デキサメタゾン、グリメサゾン)など

5群:ウィーク(weak)
プレドニゾロンクロマイP(ハイセチンP)など

これらの薬剤は全て異なる成分であるため、それぞれ作用の強さも異なります

皮膚科専門医は、この5段階に分類された薬剤をさらに細かく分類しながら治療に使用しています。
ですから、実際の症状を診察している皮膚科専門医の指示に従い、あまり自己判断をしないようにしましょう。

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| 院長ブログ | 16:54 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
乳児血管腫(苺状血管腫)

乳児血管腫(にゅうじ けっかんしゅ)」は、新生児に比較的よくみられる良性の血管腫です。

特に、在胎週数の少なかった低出生体重児に多く生じます。

見た目が果物の「いちご」に似ていることから、以前は「苺状血管腫ストロベリーマーク)」と呼ばれていましたが、最近では「乳児血管腫」と呼ばれることが多くなりました。


出生時には紅斑として気付くことが多く、生後3〜4週くらいから徐々に鮮やかな赤色を呈するようになります。

徐々に隆起して「いちご」の表面のような外観に変化しますが、触れると軟らかい腫瘤です。

ダーモスコープを用いると、より鮮明に顆粒状の増殖血管を確認することができます。


乳児血管腫の多くは、生後6〜7ヵ月で大きさはピークに達し、増殖傾向が止まります。

その後は、しばらくしてから徐々に縮小し、ほとんどが5〜6歳までに自然消退します。

ですから、増殖傾向のない小さな乳児血管腫は、自然消失を期待しながら経過観察して良いでしょう。


ところが近年では、色素レーザーによる治療を早期に始めた方が、治癒までの期間を短縮するだけでなく、自然消退の際に生じやすい瘢痕の形成を予防できると考えられるようになり、形成外科などで積極的に治療が行われるようになりました。

さらに、全身治療が必要な増殖期の乳児血管腫に対して、高血圧などの治療に用いられているプロプラノロールという成分の薬が、2016年から保険適応に追加されました。

これは「ヘマンジオルシロップ小児用」という飲み薬を体重換算して服用しますが、全身の管理が必要になる可能性があるため、主に小児科で治療が行われています。


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| 肌のあれこれ | 09:31 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ネイリン登場に伴う爪白癬内服治療の比較(2018年)



爪白癬を放置しておくと、足白癬を繰り返す原因になったり、同居人に感染を拡大してしまう原因となるため、抗真菌薬で治療を行う必要があります。

抗真菌薬の飲み薬は、爪の内部に薬剤が留まって効果を発揮するため、塗り薬による治療に比べて有効性が高くなります。

爪白癬内服療法には、「パルス療法」と「連日内服療法」の2種類の治療法があります。

いずれも効果的な治療法ですが、薬剤負担額が異なるなど、それぞれに利点・欠点があります。


パルス療法」とは、イトラコナゾールで保険適応になっている治療方法です。

イトリゾールカプセルを1日8カプセルで1週間服用し、その後3週間休薬するというサイクルを3回繰り返します。

つまり、服薬期間は2ヵ月強(服薬日数は3週間)という短期間で済みます。

パルス療法は効果的な治療法ですが、他の飲み薬(高血圧治療薬、高脂血症治療薬など)との飲み合わせによっては服用できない場合があります。

また、イトリゾールカプセル(先発品)は薬価が高いため、3ヵ月間の総薬剤費3割負担で15,906円(1ヵ月あたり5,302円)かかってしまいます。(2018年8月現在)


一方、「連日内服療法」とは、テルビナフィンで保険適応になっている治療方法でしたが、先月末(2018年7月27日)からネイリン(ホスラブコナゾール)という新薬も保険適応に追加されました。


テルビナフィンによる治療の場合は、ラミシール錠等を1日1錠ずつ毎日服用します。

症状にもよりますが、通常は6ヵ月継続して服用する必要があります。

また、治療開始から1ヵ月後〜2ヵ月後に肝機能障害などの副作用が出現することが多いため、内服開始前内服1ヵ月後内服2ヵ月後血液検査を行う必要があります。

ただし、ネドリール錠ラミシール錠後発医薬品)であれば比較的安価であるため、6ヵ月間服用しても総薬剤費3割負担で4,974円(1ヵ月あたり829円)で済みます。(2018年8月現在)


そして、非常に有効率が高い新薬として登場したネイリン(ホスラブコナゾール)カプセルも1日1カプセルずつ毎日服用する薬剤です。

ホスラブコナゾールでは重篤な肝障害がみられず薬物相互作用を示す可能性も低いと考えられているため、既存のイトラコナゾールやテルビナフィンによる治療よりも安心して服用できそうです。

さらに、服用期間が12週間(3ヵ月弱)と短い点も特徴です。

逆に欠点を挙げるとすれば、投薬期間の制限と薬価の高さでしょう。

ネイリンは新薬であるため、後発品(ジェネリック医薬品)は存在せず、しばらくは14日間という投薬制限も設けられています。

ちなみに、12週間の総薬剤費3割負担で20,276円(1ヵ月あたり6,759円)になります。(2018年8月現在)


当クリニックでは、上の写真のような比較表を用いて患者さんに分かりやすく説明しています。

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| 院長ブログ | 10:23 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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