2019.12.09 Monday
アタマジラミ症
「シラミ症」には、アタマジラミ(頭虱)の寄生による「アタマジラミ症」と、毛ジラミ(毛虱)の寄生による「ケジラミ症」があります。
<アタマジラミとは?>
アタマジラミは、成虫で体長約2〜3mmになる吸血生物で、頭髪に寄生して1日に5〜10個、一生で100〜200個の卵を産みつけます。
虫卵は、頭髪にしっかりと固着しているため、容易に除去することはできません。
卵は1週間で孵化し、1〜2ヵ月後には成虫となって吸血を始めます。
吸血によってアレルギー反応が起こると、激しいかゆみを生じます。
寄生初期はかゆみを生じないことが多いため、かゆみが気になる頃には寄生から1ヶ月くらいは経っていると考えた方が良いでしょう。
アタマジラミ症は、頭同士の直接接触や帽子の共用などで感染しますが、かゆみを生じていない時期にも感染が拡大するため、保育園や幼稚園、小学校などでの流行が問題になります。
<治療法は?>
1982年にシラミ駆除薬としてピレスロイド系駆虫剤(スミスリン)が発売され、これが国内で承認されている唯一の治療薬です。
卵には効果が無いため、2日おきに3〜4回使用する必要があります。
現在でも、スタンダードな治療薬(スミスリンシャンプー等)として効果を発揮しています。
ところが海外では、遺伝子変異によりピレスロイドが効かないアタマジラミの報告が年々増加傾向にあります。
国内でも、沖縄を中心にピレスロイド抵抗性のアタマジラミが確認されるようになってきました。
海外では、イベルメクチン(疥癬の内服治療薬として国内で使用中)含有ローションやジメチコン製剤が治療に用いられており、国内への導入や新規薬剤の開発が待たれる状況です。
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